観客のいない天空のステージで、人知れず演じられる荘厳なドラマを垣間見ている気分。
ボクなんかを寄せ付けない、一切の感情を排除した神秘のエネルギーが燃えているようだね。
昨日の朝と同じ時間に、昨日と同じ光が顔を出そうとしているのに、こうも違うものか。
光って、何んだろう? 何にも見えないし・・。む、むっ、これが無ですかあ。
無が有の雲を包み込んで、そこに片鱗を現す・・。老、いや、荘・・・とか、なんとか。
空っぽの頭・無能の無と「無」は別物。「すんごいなあ!チビ。」って、眺めてりゃいい。
朝の静寂を破るように、近くの庭の木から、ヒグラシの甲高い声が聞こえてきた。
ヒグラシが鳴くと季節は変わり始める。あん時のオバサンが教えてくれた。
世界に冠たるこの国の鉄道システムにあって、キミには時空を超えた存在感があると思うよ。
今のこの空間は、賢治さんの世界・イーハトーヴへの入口のような気がしてきたよ。
♪♪ ある日 踏切りの向こうに 君がいて 通り過ぎる汽車を待つ 遮断機が上がり・・・・ ♪♪
踏切が分ける、むこうとこっち。
立ち止まっていたら、むこうに過去の幻影が現れて、不覚にも、ため息をついてしまった。