この写真の人物は、南極点に到達後、帰還途上で遭難死したイギリス人探検家スコットです。
世界ノンフィクション第三巻に納められた「世界最悪の旅」は、彼の最後についての著書。
スコット隊の一員であった著者による、遭難から十年後に書かれた「旅」の記録とその総括。
「極点は、高原部の他のいかなる地点よりも、とりたてて重要なところではなかった」
自分等の目的は、極地での地理的観測と多種多様の標本採取だったとする言葉が驚きでした。
それ故、極点到達に手間と時間を労し、食糧・燃料の不足を招いたことが悲劇の要因であると。
同時期に「極点一番乗り」を唯一の目的としたアムンゼンとの違いが、成否を分けたと言います。
死を覚悟しその直前まで書かれたスコットの日記にノンフィクションならではの臨場感が溢れる。
氷点下50度の強風の中、飢餓と凍傷に苦しみながら最後を迎えるスコットの無念。
読み終えて、ふと思ったのは、探検と冒険は似て非なるもの・・・、曖昧にしていたね。
第一巻から読み始め、今日読み終えた第三巻で、ボクの苦手な探検ものはひとまず読了。
第四巻には「第一次世界大戦」という、ボクの関心が向きそうな大見出しがついている。
第一巻の初版が1967年、当時は真実と思われたことが今もそうとは限らない。
この全集が五十年間なぜ実家の書棚に眠っていたのか、なぜ今読むのかは、以前ここに記した。
この調子で読んでいたら、全二十四巻を完全読了するのに何年かかるんだよ・・・
タイムマシーンに乗って大いなる時間旅行をしている気分で、気長に読み続けてみますわ。
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