ぽぉぽぉたんのお部屋

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「ニューヨーク 最高の訳あり物件」

2019-09-09 | 映画のお話


ニューヨークの最高の物件が舞台だと単純に思っていたが
ドイツ映画だけあってちょっとニュアンスが違うようだ。

アメリカとヨーロッパとの違いを感じるちょっと皮肉のきいたコメディ?
アメリカで頑張ろうとするドイツやノルウェー出身の彼女たちの姿と、
お金はあるけれど若い女好きの移り気な男の甲斐性のなさを感じた作品

離婚を突きつけられた妻と最初の妻に慰謝料として半分ずつ渡された物件は
ニューヨークど真ん中の素敵なインテリアのメゾネットタイプのマンションなのだが
実はかなり古くて
見えない裏側の配管はガタガタだったというのも意味深だ

大きな絵をかけたり外したり、冷蔵庫や戸棚の中が入れ替わったり
妻たちのバトルはマンガチックでコミカルだが・・・
シリアスなのは女性が自立して成功を収めることの難しさ

スタイリッシュな元モデル妻は離婚を告げられてもまだ自分の元に帰ってくると信じて疑わない
立ち上げる事業の大切ななスポンサーでもあるのだから

ドイツからやってきた最初の妻、そうしてその娘と孫まで遊びに来て大騒動だ。

子守を押し付けられた風の最初の妻を不憫に感じることもあったが
彼女はインテリで何でもやってのける自由自在な女性で考え方も物腰もやわらかいが芯はかなりのもの
年相応の経験もたっぷりでそうかなうものでもないだろう

ずっといがみ合って行くのかと思っていたのだが
自分が幼子をかかえた彼女から最愛の人を奪った過去を次第にわかってくる

だが私には次々と女性たちを捨てていった男へのしっぺ返しもいまいち
孫と娘を愛おしがる男の今更の心情もわからない
許すことと受け入れることは違うのかもしれない

誰しもが年老いていく
理解しがたい世代の若い女に翻弄されてわが身を知る始末
女は合理的だから、なんだかんだ言ってもやがて分別がつけられる生き物だものね~

お金だけが物を言うアメリカにやってきて頑張っている女性たちを思う
成功すればそれなりの人生を送れる国なのだ

日本にいる私はアメリカもヨーロッパも別の世界
日本人の専業主婦の目で映画の中の彼女たちの生き方を見守ってあげたいと思う


2017年・第30回東京国際映画祭コンペティション部門で上映した時のタイトルは「さようなら、ニック」
ニックは夫の名

原題も「Forget About Nick」

おしゃれなタイトルで目を引いたのは確かだ、映画が魅力的になるというのだろうね~

妻と同様の40代以上の女性たちに観てほしい作品だ
いや
体形や美貌より、恋や結婚やキャリアよりも大切な物って何だろう?
と、若い女性たちにも観てほしい気もする

あなたの人生にとって一番大切な物は何ですか?



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