
デンマーク映画
27歳のクリスは叔父さんと二人で暮らしている。
ユトランド半島の風景の中で、淡々とつづられる酪農家の毎日
牛の世話、エサやり、出産、飼料の収穫
何だか赤毛のアンを思い出した
アンを引き取った初老のマシュウは無口で内気な性格だったし
この叔父さんに感じがとてもよく似ている
足の不自由な叔父さんもあまりしゃべらないが「ヌテラ!」とは何度か言う。
ヌテラは叔父さんの好物らしい
そしてかなり面白いことを言うので私は驚いたのだが
たぶんそのユーモアのセンスで、引き取った14歳の彼女を慈しんできたのだろう
映画では毎朝のテレビは音声しかないのだが
北朝鮮のミサイルやG20の抗議デモのニュースばかり流れている。
それでもパンを焼きヌテラをぬるしぐさが繰り返される。
さらに酪農のくらしぶりがあまりに繰り返されるので
辟易しそうになりながら
獣医の手伝いを初めた彼女の将来を想像したり
恋愛して叔父さんから離れてしまうのかと気をもんだりしながら
きっと彼女はどちらかにと思っていたが 変わらなかった・・・
知り合った青年は農家を継がずに家を離れるときっぱりと言う。
クリスがデートにどうして叔父さんを連れていったのか
叔父さんもついて行ったのか、私にはまだよくわからない
叔父さんは14の時からずっとクリスを見守ってきた
クリスが獣医大に合格した時に倒れて体が不自由になり
クリスは進学をあきらめたようだ。
亡くなった兄を追って自死した父よりもずっと
叔父さんはクリスを見守ってきたのだから
やっと落ち着いて、獣医の手伝いを始め、
大学の講義に参加できるという矢先、おじさんがまた倒れる
クリスは泣きながら駆け付ける。
父は兄を追い自分を捨てた。
ひとりになった自分を叔父さんは心から愛して育ててきてくれたのだろう。
叔父さんを捨てられるわけがない
ヨーロッパの田舎町の毎日。
同じことの繰り返しの中に幸せはあるのかもしれない。
そしていつかまた変わるのだろう。
クリスは若い。
クリスの若さをうらやましいと思う。
まだまだ未来がある
きっと素敵な相手と巡り合って彼が酪農家を継ぎクリスは獣医になるかもしれないもの
クリス役のイェデ・スナゴーは元獣医だという。
そうして叔父さんは彼女の本当の叔父さんで酪農家、舞台は叔父さんの農場だという
どうりで毎日のくらしが自然すぎてドキュメンタリーの様だった・・・
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