てすさび日誌

哀しき宮仕えを早期リタイアし、“サンデー毎日”のomorinが生活の一コマや雑感を認めた日誌です(2005/4/20~)

糸瓜と子規

2006-08-13 09:08:21 | 暮らしと生活
 「♪新~しい朝が来た」と希望の朝に胸ふくらせて、爽やかな早朝ウオ-キングをしてきた。時折腕を回したり、肩を上げ下げしながら。
 「おはようございま~す」と道行く人と、元気に交わしながらの清々しさは早朝ならではのものだ。
 コースの最後に、田と畑を見回って小1時間のウオークを終えた。シャワーを浴びて体重計に乗れば、起き抜けに比べて0.6kgダウンにニンマリ。

 道すがら見かけた糸瓜(へちま)に、思わず足を止めた。糸瓜は江戸時代から薬用・食用・加工品として様々な目的で人々の生活の中で親しまれてきたが、最近はあまり見かけない気がする。今でも中国、アジア、沖縄ではゴーヤと並ぶ夏野菜の代表として、ポピュラーな糸瓜なのに。子供の頃には、どこの家庭でも栽培し「たわし」として使ったり、食用にしたものだ。

 私は“糸瓜”とくれば、必ずや正岡子規の絶筆三句が思い出される。私が学生時代を過ごした松山は、子規ゆかりの地である。その子規の住居を正宗禅寺の境内に移設した「史跡子規堂」で、初めてこの句に出会った。

 糸瓜咲て 痰のつまりし 仏かな
 痰一斗 糸瓜の水も 間にあわず 
 をとゝひの へちまの水も 取らざりき 

 子規は、肺結核を病み、没年までの8年間をほとんど病床で過ごした。糸瓜の水は痰や咳の妙薬で、ことの名月の晩に採った水は薬効が著しいとされていた。痰に苦しむ子規自身をよんだ辞世の句である。享年三十六歳、十七夜の月明その生涯を閉じた。




コメント (4)
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