ちょっとしたきっかけから、又又いい映画を観させて貰った。さだまさしさん原作の同名小説を映画化した「解夏」である。
いわゆる難病という重たいテーマにありがちなドラマティックな描写を避け、淡々とした日常の中から、やがて視界を失う運命にある主人公と、彼の目になろうとする女性の、焦燥、葛藤、無常観の果てに導き出される慈愛を描出していく秀逸な作品である。まだ原作は読んでないので、映画が原作を超えているかどうか知る由もないが。
舞台は雨と坂の町-長崎。キリスト教的風土の中で、仏教の教えを違和感なく融合させているが、決して説教じみたところはない。脇を固める松村達雄さんの年輪を重ねた柔らかい演技に負うところが大。極々自然に心に染み入るように、仏教の“結夏(けつげ)と解夏”を説く。
この世の見納めにどうしても見ておきたい故郷の町。しかし、徐々に見えなくなる目。恐怖と戦いつつも、目にした風景を心に焼きつけていく主人公の目を通して、長崎の美しい風景が描かれている。
「自分の目に、記憶の中に、<大切な人>は映っているか?」
「誰しも避けて通れない不安や恐怖はある。ならばそれからいつ解放されるのか?」
「幾度も解夏を体験して、そして越えて、人は在るのだろうか?」
「局面に遭遇した時、自分がどういう心境で居られるか?」
願わくば、生あるうち解夏を迎え、喜びを知りたいと思う。
<印象深かったこと>
●でんでらりゅうの歌「でんでらりゅうば でてくるばってん でんでられんけん でてこんけん こんこられんけん こられられんけん こん こん」
●「解夏」とは、闇の中をさまよう苦しみから解き放たれ、ようやく探り当てた一筋の光を胸に自己を再生し、新しく出発する日。
●「失明」とは、闇になるのではなく、乳白色の霧のなかに居る感じ。
●「視力を失う時が恐怖から解放される時」
●「人が最後に見ておきたいのもの…」さて、それは何かな?
いわゆる難病という重たいテーマにありがちなドラマティックな描写を避け、淡々とした日常の中から、やがて視界を失う運命にある主人公と、彼の目になろうとする女性の、焦燥、葛藤、無常観の果てに導き出される慈愛を描出していく秀逸な作品である。まだ原作は読んでないので、映画が原作を超えているかどうか知る由もないが。
舞台は雨と坂の町-長崎。キリスト教的風土の中で、仏教の教えを違和感なく融合させているが、決して説教じみたところはない。脇を固める松村達雄さんの年輪を重ねた柔らかい演技に負うところが大。極々自然に心に染み入るように、仏教の“結夏(けつげ)と解夏”を説く。
この世の見納めにどうしても見ておきたい故郷の町。しかし、徐々に見えなくなる目。恐怖と戦いつつも、目にした風景を心に焼きつけていく主人公の目を通して、長崎の美しい風景が描かれている。
「自分の目に、記憶の中に、<大切な人>は映っているか?」
「誰しも避けて通れない不安や恐怖はある。ならばそれからいつ解放されるのか?」
「幾度も解夏を体験して、そして越えて、人は在るのだろうか?」
「局面に遭遇した時、自分がどういう心境で居られるか?」
願わくば、生あるうち解夏を迎え、喜びを知りたいと思う。
<印象深かったこと>
●でんでらりゅうの歌「でんでらりゅうば でてくるばってん でんでられんけん でてこんけん こんこられんけん こられられんけん こん こん」
●「解夏」とは、闇の中をさまよう苦しみから解き放たれ、ようやく探り当てた一筋の光を胸に自己を再生し、新しく出発する日。
●「失明」とは、闇になるのではなく、乳白色の霧のなかに居る感じ。
●「視力を失う時が恐怖から解放される時」
●「人が最後に見ておきたいのもの…」さて、それは何かな?