てすさび日誌

哀しき宮仕えを早期リタイアし、“サンデー毎日”のomorinが生活の一コマや雑感を認めた日誌です(2005/4/20~)

庶民文化の華

2007-01-15 18:05:33 | 暮らしと生活
 文化庁は14日、公募の中から選んだ「親子で歌いつごう 日本の歌百選」を発表した。選考は今回が初めてで、美しい日本語の歌を継承し世代間をつなぐことを目的にしている。

 百選には、卒業式でおなじみの「仰げば尊し」や「蛍の光」、「どんぐりころころ」「春の小川」などの童謡や唱歌、「夏の思い出」といった合唱曲をはじめ、歌謡曲では「上を向いて歩こう」「川の流れのように」、新しいところでは「世界に一つだけの花」「涙そうそう」などが選ばれたそうだ。

 曲にまつわるエピソードも同時に募集され、平松れい子さん(東京都目黒区)の作品が大賞に選ばれた。
 平松さんは、36年前貧乏暮らしの中で買って貰ったピアノで、父のリクエストに応えて「浜辺の歌」を弾くと、父が目頭を押さえて「おれはこの曲を聞くとダメなんだ」と涙するエピソードを披露しているが、わがことのように共感を覚えた。

 小生もこの百選の中に、同様の歌を沢山見出せる。旋律を聴いただけで立所に、その頃にタイムスリップし、感極まって熱いものがこみ上げてくる。
 あえてベストファイブを挙げれば「里の秋」、「夏の思い出」、「浜辺の歌」、「冬の星座」、「みかんの花咲く丘」といったところだろうか。

 「歌は世につれ、世は歌につれ」というが、人々に愛唱されてきた歌には、移りゆく世相を反映しており、常に我々の心を慰めてきた。悲しい時、辛い時、嬉しい時、楽しい時、いつもそこには歌があった。まさしく歌は“庶民文化の華”であろう。
 長く歌い継がれた歌を介して家族のふれあいを増やし、貴重な“文化の華”を枯らすことなく後世に受け継いでゆきたい。

**********************************

 余談ながら、国民的歌番組ともいえる、NHK紅白歌合戦のこと。
 近年はNHKの様々な問題も噴出し、視聴率低下が指摘されている。追い討ちをかけるように、とうとう昨年は番組の中で、初出場の「DJ OZMA」がとんだ茶番劇をやり、物議を醸している。

 これまでにも紅白歌合戦のあり方自体について見直しが提起され、2005年(第56回)には「スキウタ」アンケートを実施し、その結果を参考に曲目を決めるなどの試みが実施されたことがある。
 それこそ「日本の歌百選」なども参考にして、もっと心に響く歌を、じっくりと聴かせてもらいたいものだ。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする