「ノリトアゲテマス」

2012-05-01 07:28:57 | タナカ君的日常
 バス道路の横断歩道の向こう側、そこから住宅街へと入り込むY字に分岐する道がある場所に女性が立っていた。 その先は住宅街になっているのだが、道は入り組んでいて、僕も五日市街道に抜ける時に使いますけど時として袋小路のトラップに捕らえられる地帯が広がっているのです。 そんな場所で、歩道上の若い女性はと云えば、右手で止めた自転車を支えつつ、左手はA5サイズの紙片を眼前に捧げ持って眺めていた。 

 スーパーに買い物に行く途中でそれに出会った僕は、てっきり目的地の地図かなんか書いた紙を見てどっちへ進もうか思案中と見て取った。 そこで走らせていた自転車を止めて片足突きの姿勢で自転車にまたがったまま道の向こう側の女性に声を掛けた 「どこへ行くんですか?」 返事は帰って来たけれど聞き取れない。 そこで 「すいません、聞こえません!!」と大声で叫ぶ、先程より少し大きな声で返事があった、しかしどうも言っている事が判らない、僕がこの近所で知っている地名や住所、店や施設等の名前、要するに住所を探している人が言うべき言葉には聞こない。

 何故そんなにお節介な気分になったか判らんけれど、道を渡って近付いて 「言ってる言葉が聞こえなかったもので」と声を掛けると、返って来た返事は・・・

彼女 : 「ノリトアゲテマス」

僕  : 「はっ?!」 ( ”意味不明だなー” の顔付きで )
彼女 : 「私、神道やってます。 それで祝詞あげてます」

 今迄だって祈る人を身近に見たことあるけど、それなりに意味のある祈りの時間であったり、神社や寺の境内や教会などの祈りの場でのそれがほとんどでした。

 今回の場合、時刻は昼少し前の11時半、場所は歩道上。

 「随分変わった人だなー」そう想いながら「ああそうでしたか・・・」と言って別れました。 ところが、僕とそんなやり取りの後、先に自転車に乗って動き出した彼女の進行方向は僕の目指すスーパーの方向と同じ。 それで200mほど先で彼女が左折して行くまで、追尾する形になっちゃいました。 後ろに僕の気配を感じてか2度ほど振り返った彼女、心の中では「変な男に付きまとわれて気味が悪い」そう感じたかもしれません。 
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