断捨離のイメージを持たれている僕であるが,唯一,子供の頃からのオモチャで捨てていないものがあった。
トラベル新幹線。
銀玉を操って,最終目的地である岡山まで行くのである。久々にやってみると,いきなり新横浜でジエンドである。
裏には,自分と姉の名前が書いてある。たぶん,姉の字である。
山陽新幹線開通と同時に発売されたのではないかと思う。でも,調べてみると,岡山までの開通は1972年である。となると,このオモチャは1972年発売の可能性がある。もしかしたら約50年ものではないか
ちょっとググってみたが,たどり着かない。たどり着かないが,このオモチャが香港で作られていたことがいまさらわかった。裏面に香港製と書いてあるもの。いや,もう一度しっかり裏面を観ると1973年製。
1973年=昭和48年。僕4歳。姉8歳。なんという大昔なんだ 仮面ライダーV3,マジンガーZに夢中だった。ああ,自分は幼稚園児ではないか。すでに,釣り堀でキンギョを釣っていた記憶がある。
姉と二人で夢中になって遊んだ記憶があるこのゲーム器。なにより軽くてかさばらないから,机の引き出しに入れておける。そんなわけで50年近く保存されてきた。
そんな姉にもコロナの影響でしばらく会っていない。年に数回は逢っていた「誰々の誕生日」「年末年始」など,そうした記念日がいっさいできなくなったからだ。自分の会社でも通達で「そういうのやるなよ」である。お葬式も結婚式も,義理ものはすべてなくなった。
これからあとしばらく,おそらく数年はこうしてコロナと付き合って行くのだろう。公式飲み会がゼロになり,嫌な上司の長話を聞かされることも,二日酔いするカラオケに行くこともなくなった。しかし,その分釣具に散財しているのも事実である。