被災された方々には申し訳ありませんが、東日本大震災は衣食住など生活の基本的な条件の大切さを改めて教えてくれました。これは、健康を失ってはじめて健康の大切さを知ることによく似ています。そのとき健康さえ戻れば幸福の8~9割は得られると思うのではないでしょうか。
動物行動学者フランス・ドゥ・ヴァールは「生命科学はもっと平凡な見方をする。人生とは、安全と社会的親交と満腹感に尽きる」と述べていますが(参考記事)、われわれはそれ以外のものを追い求めることに熱心になりすぎたのではないでしょうか。
華美を競う、地位を争う、あるいは金銭を追い求める、といったことに強い関心を向け続けた結果、もっとも重要で基本的な「安全と社会的親交と満腹感」を忘れていたように思います。基本的なものが満たされていることはあたりまえであり、そこに価値を見いだしたり、満足感を得たりすることはないというように。
安全と満腹感と共に社会的親交が挙げられていることに違和感をもつ方がおられるかも知れませんが、ヒトは群れを作る動物であり孤独に生きることが難しいことから考えるとやはり重要なことと思われます(出会い系サイトの賑わいぶりからもわかりますね?)。
関東地方は計画停電が実施され、電気のない生活を初めて経験する方もおられると思いますが、恐らくそれまでは電気は水や空気のようなものであり、その存在を意識することもなかったでことしょう。
我々はどうやら変化するものには強い関心を抱きますが、元々存在して変わらないものに対しては意識することもないようです。これはマスメディアに於いて顕著であり、それがこの傾向をさらに助長します。
電力は重要なものですが、事故や事件以外で電力がメディアに取り上げられることはまずありません。農業や漁業、鉄鋼、化学、石油、運輸など、大切な基幹産業についてもほぼ同様です。反面、変化の激しいIT産業、芸能娯楽産業、ファッション産業などはしばしば脚光を浴びます。
その結果、われわれは生存に必須のものにはあまり関心を持たず、それほど重要性のないものに強い関心を持ってきたように思います。この震災が契機となり、改めて基本的なものの重要性や価値が認識されるようになれば、と思う次第です。
(関連記事) 「高熱隧道」・・・300名を超える犠牲者を出した黒部第3発電所の工事を描いた吉村昭の小説の紹介
動物行動学者フランス・ドゥ・ヴァールは「生命科学はもっと平凡な見方をする。人生とは、安全と社会的親交と満腹感に尽きる」と述べていますが(参考記事)、われわれはそれ以外のものを追い求めることに熱心になりすぎたのではないでしょうか。
華美を競う、地位を争う、あるいは金銭を追い求める、といったことに強い関心を向け続けた結果、もっとも重要で基本的な「安全と社会的親交と満腹感」を忘れていたように思います。基本的なものが満たされていることはあたりまえであり、そこに価値を見いだしたり、満足感を得たりすることはないというように。
安全と満腹感と共に社会的親交が挙げられていることに違和感をもつ方がおられるかも知れませんが、ヒトは群れを作る動物であり孤独に生きることが難しいことから考えるとやはり重要なことと思われます(出会い系サイトの賑わいぶりからもわかりますね?)。
関東地方は計画停電が実施され、電気のない生活を初めて経験する方もおられると思いますが、恐らくそれまでは電気は水や空気のようなものであり、その存在を意識することもなかったでことしょう。
我々はどうやら変化するものには強い関心を抱きますが、元々存在して変わらないものに対しては意識することもないようです。これはマスメディアに於いて顕著であり、それがこの傾向をさらに助長します。
電力は重要なものですが、事故や事件以外で電力がメディアに取り上げられることはまずありません。農業や漁業、鉄鋼、化学、石油、運輸など、大切な基幹産業についてもほぼ同様です。反面、変化の激しいIT産業、芸能娯楽産業、ファッション産業などはしばしば脚光を浴びます。
その結果、われわれは生存に必須のものにはあまり関心を持たず、それほど重要性のないものに強い関心を持ってきたように思います。この震災が契機となり、改めて基本的なものの重要性や価値が認識されるようになれば、と思う次第です。
(関連記事) 「高熱隧道」・・・300名を超える犠牲者を出した黒部第3発電所の工事を描いた吉村昭の小説の紹介