NHKのBSプレミアムで放送されていた 「 テンペスト 」 が
総合番組で再放送される。
第一尚氏の出は、伊平屋島である。
伊平屋の島主・屋蔵大主 ( やぐらうふぬし ) が伊是名島を統治していたころ、
その子の佐銘川大主 ( さめがわうふぬし ) を伊是名島へ派遣し、
伊是名グスクを築かせた。
佐銘川大主は伊是名グスク城主として人々の信望も厚かったという。
ところが、ある凶年のとき食糧難にあえぐ島民のため、
万が一のために備蓄してあった城内の米を供出する。
ところが、その好意が仇となる。
配給された米だけで満足しない島民たちは、城内に保管されている米を強奪し、
佐銘川大主を殺害することを謀る。
このような陰謀を隣に住む老人より聞き入った大主は、
わずかばかりの食料を小舟に積んで島を脱出して国頭の浜に着き、
しばらく国頭の地に滞在していたが、ある晩、夢の中に老人があらわれて、
「 東海岸から南の方に行くと、屏風のような切り立った岩の下に北向きの浜がある。
そこに移住すると、きっと大業を成すことが出来るだろう 」 と告げた。
夢のお告げに従った大主は、国頭の地を後にして五日目に馬天の浜にたどり着いた。
そこに住み着いた大主は、縁あって大城按司眞武(大城グスク城主)の娘と結ばれ
一男一女をもうけた。
男の子は、後になって苗代の地に居住したので苗代大親(なわしろうふや)と呼ばれるようになり、
女の子は馬天ノロとなった。
苗代大親は、大城按司より東四間切のうち佐敷間切を与えられ、
佐敷按司 ( 第一尚氏の祖・尚 思紹 ) と称されるようになる。
佐敷按司となった苗代大親は、ここで美里の子 ( みさとのし ) の娘を妻としてめとり、
三男一女をもうけた。
その長男が、琉球王国三山統一を成した尚 巴志 ( しょうはし ) である。
尚 巴志が生まれたのは1372年だといわれている。
ちなみに尚 巴志は、初代の琉球国王である。
尚 思紹から続いた第一尚氏は7代目尚 徳で63年続いた王統が終わり、
第一尚氏から第二尚氏になり、尚 円 (金丸) から19代409年続いた第二尚氏王統も、
琉球処分で幕を閉じた。
このドラマは琉球処分前、第一尚氏の血をふたたび王位へと願う孫寧温と、
それにたどり着くまでの嵐のような琉球王府内を描いたのが 「 テンペスト 」 である。