Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

本音と建前の二枚舌

2013-05-29 | 歴史・時事
外国人記者クラブの会見で橋下大阪市長の肉声を初めて聞いた。早速翌日の新聞には政治欄に記事が載っていた。メルケル博士を初めとする政治関係者なら間違いなく目を走らせる記事で、連邦共和国の一流人ならばどの世界で活躍していてもその目に触れる機会があった記事である。

掻い摘んで紹介すると、安倍首相が対外関係でいざこざを起こせば所謂アベノミクスと呼ばれる経済政策で前回の任期中の辞任のようにそれが直ぐに頓挫するので、「本音」を封鎖されていて、その代わりに国粋主義者の一角である維新の党の大阪市長がその「本音」を吐露しているに過ぎないとする。

その「本音」と裏腹に「建前」が使い分けされていて、そもそも今回の世界の騒動となった報道自体が誤報であったとする弁明から始め、「決して日本の行った慰安婦の強制を相対化はしない」と言う舌も乾かぬうちに、「合衆国、英国、フランス、ドイツ、ロシアなどの他国がやったことも決して良しとはしない」と、日夜女性権利の尊重に心している法律家としての詭弁を紹介する。「本音」と「建前」の使いわけと言う日本人の得意技を示したと評価する ― もちろんこうした態度はまともな日本人が歴史的に毛嫌いしてきた卑怯な二枚舌そのものだったのである。

なぜ橋下が期待した効果以上の騒動を起こしたかと言うと、維新の支持率が急降下していて、大阪の支持者でさえ大きな失望感を味わっている今日、日本の修正主義陣営を代表して舌禍で目立つことにあったのだと的確に解説する。勿論彼の主張を、国連や合衆国議会で行ったならば、日本の体面を大きく傷つけることになるのは、韓国の外務大臣の「苦々しく、恥辱に満ちたものである」のコメントに象徴されるとする。

そして記者が、たとえその強制性に議論があるとしても、日本軍のやったやり方は唯一無二の特殊なものであると言うのは全く正しい。個人的にはその点に関心があるのだが、今回の会見を観て感じたことにその答えがあるようだ。

つまり世界有数の大都市大阪の市長はまさに徹ちゃんであって、舞台に立たずにそこにいるのが不思議なような稚拙な人物であったと言う印象に集約される。60年紛争の反動の中での日教組教育の申し子であるのは間違いない。そもそもこの若い大阪市長が、本音と建前の裏腹を同時に交互に出しながら、慰安婦問題だけでなく植民地支配にまで言及して謝罪する権力陶酔の姿が小学生の洟垂れ小僧のようである。大阪府民の責任はタレント政治家への支持へのシャレではもはや終わらないであろう。誤報と強調しながら、「この戦争犯罪責任については、安倍首相一派の主張と同じく、完全に否定している」と世界中に報道されたように、そうした主張をも支持する市民の責任である。

どうも「性と戦争を訴える」ことで世界へのアピールとして起死回生を狙いたかったように見えたが、その感覚こそが教養の無い「典型的な日本人の政治エリート」を代表していて、そのことを強く世界に訴えたに違いない。この手の連中はそれをタブーと呼ぶようだが、そのような感覚だからこそ戦争が出来る真面な国には程遠く、民族にはなれないのである。「朝鮮半島の政治道具としての恥知らずの主張」と同様な、日本のそれは同程度の無教養さでしかありえない。軍の経験も無ければ、何も知らない無垢な小学生が金切り声で何かを訴える吉本新喜劇なのである。一体日本のエリートと呼ばれる人たちはどのような本を読んでどのような教育を受けてきたかと思わせる中継であった。マルキズムの平均化教育の成果そのものなのである。

そうした状況は、どうも修正主義の政治的な活動としての主張なだけではなくて、実はそうした情景に自らを鏡に写し出してみれないようで ― 環境認識の有無 ―、それはエリート政治家だけでなくてそれらの輩を支持する層にもあるようだ。彼らに共通する思考は、表層的な証拠とかそうしたものでしかないのだから。マッカーサーの言葉は正しい、日本人は12歳程度で脳の成長が止まってしまっているに違いない ― 今回の会見を受けて内外の評価は賛否両論とか、如何にもジャーナリズム無き日本では、NHKを含めてそのように報道しているようで、これが正しく二枚舌の報道姿勢なのだ。



参照:
Hashimotos Doppelgesicht, Carsten Germis, FAZ vom 28.5.2013
四面楚歌の安倍と日本 2013-05-26 | マスメディア批評
普通の日本人たちの責任 2013-05-20 | 歴史・時事
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