Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

2009年産の過熟成速報

2013-08-29 | ワイン
ラディオで日本のロケット打ち上げが中止になった速報が流れていた。これの固形燃料型によって日本は商業化に拍車をかけるという紹介であったが、それだけに関心は強かったようである。SWR文化波の切り口は、FAZ紙のそれとはまた違う意味でその背後にいる聴視者の専門性を感じさせるそれである。だから、最初から分っていた福一の地下水汚染に関しては他のメディアほど騒いでいないのかもしれない。ソチオリムピックボイコット問題はどうなったのか?西側諸国による代替地は決まったのか?

2010年に感動したロベルト・ヴァイル醸造所のテュルムベルク2009を開けた。既に瓶詰め後二年以上経過しているので過熟成が予想された。開ける機会を逃してしまっていたので仕方が無い。しかし知りたかったのはその香りの有無であって、変化であった。当初のような素晴らしい香りが存在しているならば、所謂酸化法での醸造の成果を示す結果となるからだ。

ヴィルヘルム・ヴァイル一行がヴァッヘンハイムを訪れ、本格的なグランクリュとブルゴーニュシステムを検証したのは既に二年以上前のことであり、正しく香り溢れる辛口リースリングの長期瓶熟成こそが、ヴァイル一行がブリュクリン・ヴォルフ醸造所で習うことであった。

結果からすると、土壌特有の所謂ペトロール香が既に出ていて、2009年の特徴である早熟を表わしていた。それでも試飲会で感じた香りはその果実風味として確りとかもし出されていて、なるほど少し峠は過ぎたようであったが中々立派なリースリングとなっていた。もう一年ほど寝かせると完全に完熟のリースリングとなったであろう。

要するに果実風味の薄い蒸留酒のようなリースリングを高品質に提供してきたこのトップクラスの醸造所も新たなシステムの中で俗受けするワインも提供できるようになったのである。勿論、グレーフェンベルクのグランクリュが更に香味溢れる高級リースリングとなることは間違いなく、これで完全にその新設備とともに最上位クラスに君臨するだろう。

その反面、今回のそれが示すように、その果実風味は甘さ感となっていて、本格的なグランクリュからは遠い。少なくとも四五年の時点でそうした甘さを感じさせないのがブリュックリン・ヴォルフ醸造所のグローセスゲヴェックセであるのに反して、二年ぐらいで頂点を迎えてしまうのが最大の問題なのである。勿論それはラーゲンヴァインであり価格は、20ユーロ前半となっていて、その比較対象は下位の醸造所のグローセスゲヴェックスである。今後この地所のリースリングを購入するかどうかは分らないが、試して決して損はしなかったワインである。



参照:
余裕が全く無くても冷静な元旦 2013-01-01 | 料理
素晴らしい投資相応の価格 2012-09-11 | 試飲百景
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする