足の筋肉に張りがある。だから、涼しくなったこともあり、ステーキを食した。通常のステーキを買うところが、古くなったフィレを同じ価格でオファーしてくれたので試してみた。牛フィレを購入することもないことはないが、価格もあり通常は本当に小さな欠片だけである。そして今回はその端の場所を250G以上購入した。
いつも食べる欠片が幾つも皿に乗ることになった。ワインは、先日開けたブルゴーニュとの比較で、ゼーガー醸造所ハイデルベルクのヘーレンベルク2008年ものSを合わせた。2008年は、熟成をさせることで特にその上のRが飲み頃であると奥さんから聞いていた。だから飲み頃は既に過ぎている瓶を開けたのだ。
アルコールは13.5%とかなり高めに醸造されていて、ベーシックの2008年の強さを想起させたが、内容は大分違った。その当時は知らなかったのだが、SはRに比較すると樽などによる仕上げに手間が掛かっているだけでRほどには良くはない。だからあまり期待していなかった。
さていざ空けてみると直ぐに開いてくるので、完全に瓶熟成していることが伺えた。しかし香りや味は決して全開と言うのではなく、繊細さがあって驚いた。前日試したジャンボール=ミュジニーの村名ものとは全く比較にならないほどブルゴーニュのピノノワールなのである。そのミントの葉に隠れるようなとても奥ゆかしいカシスなどの風味は、とても上品であり、先日の未成熟の果実の混合品のようなものとは比較にならない。それどころか細かな石灰質のミネラルが十分に感じられて、如何にその葡萄の木の質が違うかを如実に示してくれる。
2008年はドイツの赤にとっては決して容易な年ではなかった。とても難しい年だったからこそ、ベーシックのワインはアルコールの押しが強くて若干悪酔いしそうな雰囲気が強かったのである。しかし、流石に手間をかけた上位のものはそのような点を感じさせない仕事振りを示しているのである。比較にもならないが、ネゴシアンの集めたジャンボール=ミュジニーの村名ものの2010年の葡萄は未熟で酸に満ち溢れているのとは異なって、そうした酸などを一切感じさせないどころか、確りと背後で全体を支えているのである。
なるほど、Rクラスに比較すれば、奥行きに欠けるかもしれないが、2008年のクリストマン醸造所のシュペートブルグンダーSCを思い出せば到底比較にならないほどの瓶熟成とその質の高さを証明している。ゼーガー醸造所のピノノワールはドイツでは抜きに出ている。それどころか中途半端なブルゴーニュよりもはるかに本格的なブルゴーニュのピノノワールである。
さて、フィレの方は、流石に念を入れて焼く必要が無いので、青胡椒と塩で焼くことにした。古くなっているので味の熟成は進んでいるから、少々強めに焼いたがその柔らかさはまったく変わらなかった。このあたりがフィレのよさである。付け合せには塩じゃがで、簡単なサラダを合わせた。最高のソースは、バターと肉汁にピノノワールなのである。
参照:
早落としの村名ピノノワール 2013-08-01 | ワイン
クローンはピノノワール 2013-06-23 | 試飲百景
セメントが柔らかくなるように 2011-01-29 | 試飲百景
いつも食べる欠片が幾つも皿に乗ることになった。ワインは、先日開けたブルゴーニュとの比較で、ゼーガー醸造所ハイデルベルクのヘーレンベルク2008年ものSを合わせた。2008年は、熟成をさせることで特にその上のRが飲み頃であると奥さんから聞いていた。だから飲み頃は既に過ぎている瓶を開けたのだ。
アルコールは13.5%とかなり高めに醸造されていて、ベーシックの2008年の強さを想起させたが、内容は大分違った。その当時は知らなかったのだが、SはRに比較すると樽などによる仕上げに手間が掛かっているだけでRほどには良くはない。だからあまり期待していなかった。
さていざ空けてみると直ぐに開いてくるので、完全に瓶熟成していることが伺えた。しかし香りや味は決して全開と言うのではなく、繊細さがあって驚いた。前日試したジャンボール=ミュジニーの村名ものとは全く比較にならないほどブルゴーニュのピノノワールなのである。そのミントの葉に隠れるようなとても奥ゆかしいカシスなどの風味は、とても上品であり、先日の未成熟の果実の混合品のようなものとは比較にならない。それどころか細かな石灰質のミネラルが十分に感じられて、如何にその葡萄の木の質が違うかを如実に示してくれる。
2008年はドイツの赤にとっては決して容易な年ではなかった。とても難しい年だったからこそ、ベーシックのワインはアルコールの押しが強くて若干悪酔いしそうな雰囲気が強かったのである。しかし、流石に手間をかけた上位のものはそのような点を感じさせない仕事振りを示しているのである。比較にもならないが、ネゴシアンの集めたジャンボール=ミュジニーの村名ものの2010年の葡萄は未熟で酸に満ち溢れているのとは異なって、そうした酸などを一切感じさせないどころか、確りと背後で全体を支えているのである。
なるほど、Rクラスに比較すれば、奥行きに欠けるかもしれないが、2008年のクリストマン醸造所のシュペートブルグンダーSCを思い出せば到底比較にならないほどの瓶熟成とその質の高さを証明している。ゼーガー醸造所のピノノワールはドイツでは抜きに出ている。それどころか中途半端なブルゴーニュよりもはるかに本格的なブルゴーニュのピノノワールである。
さて、フィレの方は、流石に念を入れて焼く必要が無いので、青胡椒と塩で焼くことにした。古くなっているので味の熟成は進んでいるから、少々強めに焼いたがその柔らかさはまったく変わらなかった。このあたりがフィレのよさである。付け合せには塩じゃがで、簡単なサラダを合わせた。最高のソースは、バターと肉汁にピノノワールなのである。
参照:
早落としの村名ピノノワール 2013-08-01 | ワイン
クローンはピノノワール 2013-06-23 | 試飲百景
セメントが柔らかくなるように 2011-01-29 | 試飲百景