シリーズ第3作。清水崇監督がようやくこのパターンでなんとか結果が出せたと思えるレベルの作品に仕上がっているのがうれしい。もちろん、これを『呪怨』を凌ぐ傑作だ、とかいうつもりは毛頭ない。だけど、悲惨な出来だった前2作を叩き台にして、ついにそれなりの作品が誕生したのは喜ばしいことではないか。主人公のKoki,が魅力的で彼女を見てるだけでも、楽しめる。
日本の田舎を舞台にして架空の秘境の村でのおぞましい出来事を描くホラー映画というパターンの嘘くささには辟易してきたけど、今回は村自身ではなく、双子のお話というのがちゃんと描かれているから、お化け屋敷ではなく、ちゃんとしたお話として見れる。でも、そのお話自体には整合性もなく、よくわからない展開もありで、納得いかない部分も多々あるけど、そこも含めて、どうなるのか、興味を掻き立てられる。
ただ、ホラー映画なのに、まるで怖くないのはいささか問題ありだろう。こけおどしの怖さはいらないと思ったのだろうけど、それならどういう怖さが提示できるのか、というと、気味の悪さだけで引っ張っていく。だがそれでは2時間は持たない。
自分とそっくりの女性の存在。しかも、彼女の失踪という事実からお話は始まる。不思議な出来事が連鎖し、いなくなった彼女をその場所へと導いたふたりの友人も死んでしまった。なぜなのか。その謎を追って運命に導かれるように、その村へとたどりつく。そこは双子ばかりが生まれる村。片方を死なせることでもう片方が生きられること。生贄とするのだ。村はそういう風習で生き残ろうとした。そこで監禁されていた双子の妹を見つけ出し、救出することはできるのか。
終盤の怒濤の展開が肝なのに、なんだかよくわからないまま終わる。地下牢に閉じ込められていたり、そこから出たら、村に行きついたり、ラストもそれって何?って感じ。Koki,のアイドル映画だと思えば、彼女を見ているだけでも楽しめるけど、一応これはやはりホラー映画で、せめて理不尽な怖さを提示して欲しいけど、そこも中途半端。