実はこれにかなり期待したのだ。誰がなんと言おうとも(まぁ、誰も何も言わないだろうけど)僕は『変態仮面』の2作目(サブタイトルが、なんと『アブノーマル・クライシス』!)が好きだ。
あの映画のバカは徹底していた。1作目の時には、まだそこにはなんだかテレのようなものを感じたのだが、開き直った2作目は凄い。
それだけに、今回、この企画に福田雄一監督が手を染め、この豪華キャストを集結させ、マンガそのままのような出で立ちで、バカの限りを尽くすということにワクワクしないわけがない。突き抜けた映画を期待した。
確かに最初は笑えた。バカだなぁ、と苦笑する。こんなにもお金と情熱をかけて、こんなバカバカしいことにつぎ込む。確かにそれは凄いことかもしれない。だが、だんだん、退屈してくるのも事実なのだ。バカは飽きる。2時間以上もバカと付き合うには、バカだけでは無理。すさまじいアクションも、CGだらけの凄い映像も、単調になる。
どうしてここまでお話がつまらないのだろうか。単純さが作品の力にならないというのが、つらい。この企画に意図が横滑りしていく。こんなはずじゃなかったのに! カラカラと空回り。まるで、TVのバラエティ番組を見ているような安易さ。ちゃんとしたお話がなくては長編映画は成り立たないという、当たり前のことに気付く。疲れていたけど、ぜひ、見たいと思い、時間がないのに、わざわざレイトショーに出かけた僕は、心底疲れ果てたのであった。チャンチャン。