
これは1時間ほどの中編作品で、4巻からなる。原作はもちろん士郎正宗、 総監督に黄瀬和哉 、脚本は冲方丁という陣容 。今回見たのはその①『Ghost Pain』である。
このブログには書いてないけど(たぶん)、実は昨年③の『Ghost Tears』を劇場で見て感心した。難解なのは当然だがこれが実にシンプルな映画になっているのだ。ラブストーリーでもある。中編映画の面白さを見せつけられた気分だった。
これがおもしろい作品であることは、見る前から薄々わかっていたけど、でも、なかなか1時間の映画を劇場に見に行く勇気は湧かない。マニアではないのだから当然だろう。それだけのリスクを冒すくらいなら、2時間のふつうの映画を見る。なぜ、1時間なのか。なぜ、それを分けて上映するのか。そこにはいろいろ制約や思惑がある。そんなことは重々承知。でも、これは敢えて中編映画であろうとした作品ではないか、と思った。
これは1時間という上映時間ではなくてはならない作品なのだ。そこを大切にしたい。③を見たとき、その圧倒的な情報量に驚かされた。思わず消化不良を起こしそうになるほどだ。専門用語を多発して観客をけむに巻く、のではない。これはもともとそういうタイプの映画なのだ。
思い返せば押井守による第1作がそうだった。続編である『イノセント』も同じだ。そんな2作品から派生して、その後もさまざまな作品が作られたようだ。僕は押井守作品しか見ていなかったけど、今回初めてこれを見て、とても面白いと思った。当たり前の話なのだが、これはバカにはできないぞ、と思う。
ただ、この①はお話の始まりで、まだ何も起きていない。草薙素子が自分のチームを作るまでのお話だ。正直言うと、これだけ見てもつまらない。だが、これに先んじて③を見ているから、この先、この作品がどう進化していくか、承知している。(たぶん)改めて、4作品見た後、感想を書こう、と思う。(と、言いつつ、それがいつになることやら)