
キャサリン・ビグローの傑作映画『ハートブルー』は僕の大好きな作品だ。まだ、ブレイク前だったキアヌ・リーブスと、「パトリック・スエイジ主演のアクション映画なのだが、ただのアクションではない。タイトル通り、ハートがブルーになるようなそんな気持ちのいい作品なのだ。昔、ジェームス・キャメロンと彼女は結婚していて、ふたりはお互いに刺激を与え合いながら、素晴らしい映画を作っていた幸せな時代があった。その頃の作品である。キャメロンは『ターミネーター」を作り、ブレイクする。そして、2人は別れていく。
20年以上の歳月を経て、『ハートブルー』がリメイクされる。それがこの映画なのだ。しかし、邦題が示すように、両者はまるで似ていない。似ているのはストーリーだけである。(まぁ、同じ話なのだから当然だろうけど)このハードアクション映画には、ビグローが描いた「ハート」がない。2作品とも原題は『ポイント・ブレイク(Point Break)』で、それは確かに共通して的確にそれぞれの映画の内容を示している。いいタイトルだ。シンプルで素晴らしいタイトルだ。だが、まるで見事なまでもの別物。だから、邦題は全く接点がないものにしたのか。
『Xミッション』というアホなB級映画さながらのタイトルを貰って、その通りの映画になった。CGなしのスタントを売りにした。危険なスタントに挑むアクション映画という触れ込みは、この映画の方向性を的確に指し示す。ここで大切なのは、ストーリーではなく、アクションの方なのだ。それよえ、この邦題に安直さ、軽さは決して間違いではない。CG全盛時代にこういう胸のすくような映画は貴重だ。
でも、それがあの『ハ―トブルー』から生まれたということにはあまり意味はない。どこかでオリジナルへのリスペクトを期待したのだが、それはない。