この映画を見ながら、人間ってほんとに寂しいものだなぁ、なんて思った。この大都会の中で、何十万人、何百万人もの人たちがもの人たちが暮らしている。そのひとりひとりにはそれぞれの事情があり、生活がある。
この映画の複数の主人公たちは、そんな中から無作為にピックアップされた偶然の何人か、である。彼らでなくてはならなかった、のではない。誰でもよかったのだ。だいたいどこの誰であろうとも、この映画が見せたような、これくらいのドラマは抱えている。
そんな気分にさせてくれるくらいのさりげなさがこの映画の身上であろう。前半はそれがちゃんと描かれていた気がする。しかし、だんだん偶然であるはずのリストアップされた人たちがなんだか運命の糸で結ばれていたみたく、互いの重なり合うことになる。なぜだろう。そのへんからなんだか嘘くさい映画になる。
ギャンブル(特にパチンコ)がやめれないバスの運転手(岡田准一)は、やめりゃぁいいのに、サラ金に手を出し借金を抱えいつも取り立てに追われる毎日だ。母親の初恋の人を探す弁護士の女性(宮崎あおい)は、浅草をさまよう。20年間ホームレスを続ける男(西田敏行)と彼を慕いホームレスごっこを始める中年男(三浦友和)。三流アイドルのおっかけをしているおたく(塚本高史)。それぞれ訳有りの男女が織り成すドラマは悪くない。
淡々と綴られていくのも、いい。ルックスはかなりいい映画なのだから、全体をもう少しクールに作れなかったのだろうか。勿体無い。ここに出てくるひとりひとりはこの大都市、東京の中で関わりあうこともなく、埋没していくべきだった。なのにあまりに因果関係がはっきりしてしまい、その結果、まるでただの作られたお話のようになっていく。これがこの映画が意図したものとは、僕にはとても思えない。
それぞれのドラマは別々のものとしてこの都会の片隅にある。それでいいではないか。こんなふうに上手くまとめることはない。
この映画の複数の主人公たちは、そんな中から無作為にピックアップされた偶然の何人か、である。彼らでなくてはならなかった、のではない。誰でもよかったのだ。だいたいどこの誰であろうとも、この映画が見せたような、これくらいのドラマは抱えている。
そんな気分にさせてくれるくらいのさりげなさがこの映画の身上であろう。前半はそれがちゃんと描かれていた気がする。しかし、だんだん偶然であるはずのリストアップされた人たちがなんだか運命の糸で結ばれていたみたく、互いの重なり合うことになる。なぜだろう。そのへんからなんだか嘘くさい映画になる。
ギャンブル(特にパチンコ)がやめれないバスの運転手(岡田准一)は、やめりゃぁいいのに、サラ金に手を出し借金を抱えいつも取り立てに追われる毎日だ。母親の初恋の人を探す弁護士の女性(宮崎あおい)は、浅草をさまよう。20年間ホームレスを続ける男(西田敏行)と彼を慕いホームレスごっこを始める中年男(三浦友和)。三流アイドルのおっかけをしているおたく(塚本高史)。それぞれ訳有りの男女が織り成すドラマは悪くない。
淡々と綴られていくのも、いい。ルックスはかなりいい映画なのだから、全体をもう少しクールに作れなかったのだろうか。勿体無い。ここに出てくるひとりひとりはこの大都市、東京の中で関わりあうこともなく、埋没していくべきだった。なのにあまりに因果関係がはっきりしてしまい、その結果、まるでただの作られたお話のようになっていく。これがこの映画が意図したものとは、僕にはとても思えない。
それぞれのドラマは別々のものとしてこの都会の片隅にある。それでいいではないか。こんなふうに上手くまとめることはない。