習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『仮面ライダー THE FIRST』

2007-11-26 22:55:49 | 映画
 大人のための仮面ライダーが作られたなら、結構凄いものが出来るのではないか、なんて何10年も前から誰もが思い続けていたことだし、今までもそのための試みは何度となくなされてきた。しかし、その都度失敗している。SFXの技術が進歩して、ハリウッドに負けないようなCGが可能になった今、本気でそういう試みがなされてもいい。そんな時代がやってきた。『スパイダーマン』に向こうを張った『仮面ライダー』の誕生である。そんな期待を担ってこの映画は作られた、と思いたかった。

 実は、そんな期待をしたわけではない。ただ、せめて大人の鑑賞に堪える最初の頃の『仮面ライダー』の世界観を再現した作品だったならなぁ、なんて甘い期待でレンタルしてきた。しかし、中途半端な予算のもと作られたこの映画は、現在放送中のライダーシリーズにすら及ばない陳腐な代物で、あまりのバカらしさに泣けてきた。

 いくらなんでももう少ししっかりしたお話を作ってくれよ、と思う。これでは子供にすら見向きもされない。だいたい本郷猛と一文字隼人がどうでもいいようなつまらん女を巡って恋の対決をする、なんていうあほな話、誰が考えたんや。

 ショッカーにしても、真面目に世界征服をする気あんのか、と思わせる間抜けさ。戦闘員に単車の二人乗りなんかさせずにひとり1台ずつくらい与えてあげて欲しい。

 それより何よりもう少しきちんとしたビジョンを持って、まず日本征服、いや、せめて東京ぐらいは征服して欲しかった。わけのわからん女ひとり殺せなくて何がショッカーだ。病院にいるいたいけな子どもたちを拉致してきて、怪人ななんかするな。もっと深く反省して欲しい。死神博士が草葉の陰で泣いてるぞ。

 実は、現在公開中の続編『NEXT』を見るための予習に借りたのだが、これを見て見る気が失せた。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« PASSIONE『子午線を... | トップ | 劇団往来『虫』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。