1966年
三年前、西鉄の西脇はウエスタン・リーグで本塁打王のタイトルを獲得した。西鉄待望の大型打者と期待されたものだが、その後一軍へ往復キップを手に入れてからは持ち味の長打力がすっかり陰をひそめてしまった。「エヘヘ、そりゃね、宗旨変えをしたからですよ。ボクのようにアナの多い打者がホームランをねらってバットをブンブン振り回していたらどうなるか、また元のファームへ逆戻りするしか道がないじゃないですか」
六月十二日、近鉄の鈴木から奪った本塁打がプロ入り五年目で記録した公式戦初ホーマー。その後二本目はまだ出ていない。それどころか好敵手に対して人一倍の闘志を燃やしている。「とにかく出場のチャンスをつかむことが一番。三好、下須崎とライバルが多いし、いまのうちは好調なので一度ヘマをすれば次のチャンスがなかなか回ってこないし、シャープにヒットを打つことが目標」と宗旨変えですっかり面目を新たにした生き方に徹している。たしかに現在の西脇は好調で、ベテラン連が少しも力を落とさず、とても二軍の若手が入り込む余地はなさそうだが、それだけに、スキあらば、と狙っている若手がいることは、これからの西鉄の大きな強味だ。
三年前、西鉄の西脇はウエスタン・リーグで本塁打王のタイトルを獲得した。西鉄待望の大型打者と期待されたものだが、その後一軍へ往復キップを手に入れてからは持ち味の長打力がすっかり陰をひそめてしまった。「エヘヘ、そりゃね、宗旨変えをしたからですよ。ボクのようにアナの多い打者がホームランをねらってバットをブンブン振り回していたらどうなるか、また元のファームへ逆戻りするしか道がないじゃないですか」
六月十二日、近鉄の鈴木から奪った本塁打がプロ入り五年目で記録した公式戦初ホーマー。その後二本目はまだ出ていない。それどころか好敵手に対して人一倍の闘志を燃やしている。「とにかく出場のチャンスをつかむことが一番。三好、下須崎とライバルが多いし、いまのうちは好調なので一度ヘマをすれば次のチャンスがなかなか回ってこないし、シャープにヒットを打つことが目標」と宗旨変えですっかり面目を新たにした生き方に徹している。たしかに現在の西脇は好調で、ベテラン連が少しも力を落とさず、とても二軍の若手が入り込む余地はなさそうだが、それだけに、スキあらば、と狙っている若手がいることは、これからの西鉄の大きな強味だ。