埼玉県立近代美術館 没後30年 熊谷守一展 (2/2~3/23)
メモ
天与の色彩 究極のかたち 対象を厳しく見つめ、 優しいまなざしで捉えた誰にも真似できない個性的な作品ばかり200点。 楽しみながらゆっくりと、 表現の変遷をみてきた。
第1章 形をつかむ 第2章 色をとらえる 第3章 天与の色彩 第4章 守一の日本画
第5章 変幻自在の書
特別展示 : 藤森 武 獨楽 熊谷守一 写真25点組
モノクロ写真が守一の日常を伝える。 1974~76 守一94才 藤森32才 3年間に撮った写真は3千枚を越える。 自宅、 ジャングル、 緑、 パイプ、 帽子、 カルサン姿、 瞳の輝き、 立派な髭、 鬚、 髯? (ついでながら 口の上に生えるのは髭、 顎に生えるのは鬚、頬に生えるのが髯 蛙のお節介) どれも生えていた。 50坪の庭に椅子が16? 天狗の腰掛け
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横向裸婦(1904) 初期の モノトーンで描かれた作品も魅かれる。
ひまわり(1928) ◎
裸(1937) 桑畑 (1939)
独特の切り口。 あらためて魅力的。 やはり本物。 印刷で見るのとは、 ずいぶん違った。 思いこみを一枚ずつ修正していく。 塗り残された輪郭線、 キャンバスの生地や木地が見える。 そのほとんどが板に描かれている。
平面に見えるところも、 べた塗りでなく。 原画には風があり、 迫力がある。 筆致を眼の当たりにして、 単なる色面でないことがわかった。 リズムがあり、 奥行きがある。 平面は立体になり、 ものの形が見えてきた。 選ばれた明快な色彩が語りはじめる。 作家が何に感動したかが直に伝わるのだった。
赤や緑が先行する強い絵。 一見、 色面を区切って貼り付けたよう。 守一の絵を避けてきた。 分からないから見ないのだ。
俳句のように、 少ない言葉と色彩で、 命を伝えていた。 熱意を持って見つめると答えを呉れる。 潔い輪郭線と、 省かれた形や色。 いつしか守一のファンになっていた。
五色沼 (1962)
絵と言うものの私の考えはものの見方です。 どう思えるかという事です。 単純というのは表現の方法です。 どういう風に見たって絵にならなければ、 形になって来ませんから…
ものの見方…。 自分だけの学校…。 「若木だけが生きてるんじゃないんです 時には枯れ木も生きているんです」 印象にのこる。
「峠ぶき」 を知った。
図録では、 青木繁や斎藤豊作との交遊もあげられ新たな写真も見つかった。
下の写真 展覧会を楽しむワークシート 「くまがいもりかずあーとかるた」 の絵札。 高校生が絵を見て感じたことを、 ことばで「読み札」にしている。 切り取って楽しめる。
開催を早くからご案内くださったOさん ありがとうございました。 堪能しましたよ。