ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

「家政婦のミタ」最終回

2011-12-25 10:38:24 | TVドラマ
「家政婦のミタ」、最終回の視聴率、40%だったんですってね。
普通、ドラマで20%を越せば大ヒット、「仁~JIN」「電車男」「女王の教室」の最終回ですら25%程度、あの伝説の「ロングバケーション」ですら40%は取れませんでしたから、これはもうあり得ない数字です。

ドラマを女優で選ぶタイプの私にとって、秋ドラマの注目作は、「月9」の香里奈、吉高由里子、大島優子のやつと、深田恭子の「専業主婦探偵」と、キム・テヒ、桜庭ななみの「僕とスターの99日」。
「家政婦のミタ」は、まあ、押さえに録画だけはしておくかくらいの気持ちだったのですが、第1回の放送を見て、すぐ気が変わりました。

夫と子供4人を残して妻が自殺、その原因となった浮気相手に未練タラタラの優柔不断な最低ダメ夫、そんな父を許せない子ども達と義父、そんな崩壊寸前の阿須田家に派遣されてきたのが三田灯(みた・あかり)という家政婦。これが常に無表情、機械的、命令されれば犯罪行為も平然と行う女ターミネーターでした。


スタートは、ホームドラマには普通ありえないような不幸のどん底の設定です。
前半は家族一人ひとりの話でした。
ミタの行動に振り回されながらも、最初は末っ子の希衣が彼女のことを好きになる。
そして次男の海人が、長男の翔が、忽那汐里演じる長女の結が、そしてダメ夫が、ミタの滅茶苦茶な行動の中に灯(あかり)を見つける。
末っ子のきいちゃんが文字通り鍵、ロックになって、次第に家族全員が家族の絆を取り戻していきます。
中でも長男の翔くんの回はちょっとじーんと来ました。
翔に「やらせてよ」と言われて「承知しました」と服を脱いだり、「俺の気持なんて誰もわかんないんだ」と言った時に「分かります。あなたは家族を守ろうとされているのです。」と言い当てたミタさん、すごいです。
視聴率が20%を越えはじめたのは、確かこの頃からだったと思います。

後半は逆に、ミタのおかげで絆を取り戻した阿須田一家が、ミタに対して心を開いてくれるように望むことになりますが、その中で、彼女の壮絶な過去が明らかになります。
阿須田家の人たちに対し愛を感じるようになってからは、自分のせいで死んでしまった夫と子どもの幻影を見るようになります。
最後は頑固者の義父と、あわてモノで空気が読めない義妹うらら(相武沙季さん、こんな役がはまり役になっちゃいましたね)の心も溶かしたミタさんは、うららに阿須田家を守る役割を任せて、自分は身を引きます。


そんな彼女が、阿須田家の晩餐で、「業務命令です」と言われて見せた一度限りの、でも最高の笑顔。
翌日からはまた能面のような彼女に戻りましたが、でも彼女の心も確実に溶かされた、と思います。

あまりの視聴率に、日テレも、無理やり二期が作れそうなエンディングにしましたが、私は、二期はやらないほうがいいように思います。
少年漫画式に言えば、より強い敵=もっと不幸な家庭を演出すればよいわけですが、でも、一度溶けたミタさんの心を、もう一度凍らすことは出来ませんから。

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