体操仲間のマイクがこの大きなかぼちゃをもらってきた。そして丸ごと私たちに上げるという。
大喜びでこの夜はかぼちゃスープを作ろうと思った。大きいのを半分に切り、種を出して皮は食べられると思いそのまま細かく切った。玉ねぎ一個とニンニク数かけらと一緒になるべく少ない水で煮た。
このカボチャ図体ばかりでまずいこと限りない。大体かぼちゃの味がしない。なるべく水分を入れないででも水分ばっかりだから、鍋にたくさんの水分がでた。味付けに塩と胡椒、昆布だし、牛乳を入れ、フードプロセッサーでペースト状にしたがそれでもうまくない。クリームをたくさん入れてやっと食べられるようになった。
残りの半分は2回に分けて皮をむき、サツマイモ(これもポルトガルのはあまりうまくない)も入れて玉ねぎ、ガーリックでペースト状にして塩味、OXOのチキンスープのもとなど入れてまあまあ食べられる。
マイクはこのカボチャがまずいことを知っていたらしい。決してかぼちゃはどうだなどと聞いてこない。
もう10年以上も亭主の糖尿病のために造っているオリーヴケーキに、今年の秋庭のクッキングアップルを入れてみた。これがとってもおいしくて亭主がおおよろこび。それでイギリスを出る前に、クッキングアップルを細かく切って真空パックにした。これで冷蔵庫に入れておけば当分持つだろうと思った。
ところが新鮮な果物は真空パックにしても中で発酵してまるで風船のように膨れ上がってしまう。リンゴ自身は腐らずアルコール臭のリンゴをケーキの材料に混ぜてフライパンでケーキを焼いている。
道端で沢山採ったザクロは孫の大好物。12月に彼ら一家がタヴィラにやってくるから、ザクロの実を全部ほぐして真空パックに詰めた。これで12月までもたせたい。
ところがやっぱりリンゴと同じ、風船のように膨らんでしまった。開けたところアルコール臭もしっかり、毎朝のポリッジにいれて食べている。孫にこんな発酵したザクロは食べさせられない。
11月に入って雨の日が多くなった。それでもある晴れた日に、このカバナスのキャンプサイトとタヴィラの町へ行く自転車道の途中の傾いた橋を見に行った。ここの橋はもう数年前から少しづつ傾いてきて、昨年からは通行禁止になっている。それでもこの道しか近道がないため自転車を持ち上げて渡るやら、2本の鉄の棒をまたいで渡る。
来年には新しい橋を架けるらしいとの話も聞いたが、いつのことやら。
この上の写真、亭主が酔っ払って斜めに歩いているように見えるカメラトリック。
この橋の近くに打ち捨てられた塩の山、オリーヴの実を漬けるのに採りに行ったが全く岩塩になっていて足でけってもかけらも落ちない。庭の土を掘り起こす道具でやっと一塊の岩塩が取れた。
表面は汚いが、バケツに塊を入れて熱湯を注ぐと完全溶解し、汚れや砂が沈んだ頃に上澄みをオリーヴの入った容器に入れて数週間置く。
帰り道、いったい何の実だろうと近寄ってみたのが、棕櫚(しゅろ)だった。日本でも棕櫚はよく見かけたが、花や実がなっているところは見たことがない。おいしそうな実じゃないか?