あと一週間でこのキャンピングサイトを去る。この日12月末以来初めてキャンパーを動かし、同時にガスボトルを充満し帰国の準備を始めた。
ガスステーションはオルニャオの近くのモンカラパッチョ(Moncarapacho)にあり、そこまでキャンパーで30分ほど。やっぱり車はいい。あっという間にガスを入れてもらって、オルニャオのスーパーで食料や水を買い込み、昼食も済ませた。
オルニャオは以前2冬もキャンプサイトに滞在し、町を歩き回ったので、この町の落書き(グラフィティ)がどんなにたくさんあるか知っていた。最近読んだアルガーヴの英語の雑誌ではオルニャオの町役場がお金を出して描かせているという。
確かにこの旧教会全面を絵にした人は優れた才能を持っているに違いない。それでもこのグラフィティー・アーティストはスプレーペンキの吸引で肝臓をダメにしてしまったというから恐ろしい。
せっかく車を動かしたのだかどこか行きたいところは?という亭主の問で、3月初めに行ったキャリスシ(Carricos)の村のラヴェンダーを見たいと言った。
キャンプサイトから6kmの上り坂で、熱波の中を歩くよりどんなに楽なことか。
高速道路の下のトンネルを過ぎるとそこは全く別世界、道路脇の高低の丘はシスタスの白い花で覆われている。そしていたるところにラヴェンダーの茂みが紫の花を風に揺らせている。特にキャリスシの村の入口の丘の斜面は上から下まで紫色!!!
興奮して写真を撮りまくり、数本の枝をドライフラワーにするべく手折って来た。
パルムサンディーで踏みつけ歩いていたラヴェンダーはドライフラワーで、乾燥した花が良く匂う。
キャリスシへの1km手前で分かれ道は丘の上に長く伸びてポルトガルの北の田舎の村へ向かっている。丘の上の道を走っていると辺りが全て見渡せ、キャリスシの村の全景が見下ろせる。波のうねりのような丘また丘に縦横に走っている農道は最高にいい散歩道だ。
途中にBarragem (ダム)のサインを見つけて脇道へ降りていった。あまり大きなダムではなくて農家への給水を目的にしているのかと思われる。この所もう2週間も熱波に襲われていて、どこを見ても乾燥した土が丸出しの山肌なのに、どこからこれだけの水が集まってきたものかと思う。
ダムの近くの小さな村を通り過ぎしばらく行ってみたが何処もラヴェンダーとシスタスの花に覆われた田舎のけしきで、車を止めて写真を撮り楽しみつつ明るい午後を帰途についた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます