ポルトガルから帰国予定日は4月10日と決めていたが8日から天気は悪化するとの予報で、雨の中2日も待っていても仕方がないから水曜日8日の早朝キャンプサイトを出発した。この日は早くから小雨模様で結局スペインのプラセンシアのキャンプサイトへ着く頃まで、降ったりやんだりのイヤーな天気だった。
移動の際は何時も違った道をゆくことにしていて今回はスペインへまっすぐ東に向かいセビリアからまっすぐ北へ向かうか、その途中に斜めに走っている道路を行くかでカーナビをつけてみたところ、3角形の2辺に当たるセビリアよりも斜めに走る3角形の1辺のほうが50kmも短縮できるので決めた。
ところがこれが間違いの元、この短縮道路は片側深い谷間の山道で曲がりくねり登り降り激しく村もほとんど見つからない。全く不運なことにポルトガルへ着く前に入れた汚いディーゼルでエンジンの調子が悪かったことがあったが、この日も同じことが起きた。坂道を登るのに全くパワーがなくてやっとのろのろ走っているので巨大なトラックなどに追い越されてしまう。下り坂になると我がキャンパーのほうが軽いから今まで追い越されたトラックを追い越して走る。
これを何回か繰り返しているうちに、トラックの運転手も私達がふざけて遊んでいると思ったらしい。下り坂で追い越そうとすると嫌がらせに横に出てきて進行方向を塞ごうとする。とうとう諦めてのろのろトラックの後を走って午後遅くプラセンシア(Plasencia)のキャンプサイトへ着いた。ここまでの山道ではまだ南の温かい気候、ポルトガルとほとんど変わらないから道端にはラヴェンダーとシスタスの花が咲き乱れていたが、何処もかしこもグレイの空の下カメラを取り上げる気持ちにもならなかった。
翌日は雨こそ降っていないがこれまたグレーの世界、50Shade of Grey という本が数年前に有名になったが、これは中・老年男の髪の色のことらしい。
ここでは本当に50色もの違う灰色(グレイ)で彩られた谷間の道を北東へ向かう事になった。この国道110号は数年前にも通ったことがあったと来てから気づいたがモウ遅い。数年前は3月半ばで曇り空でものすごく寒く、1275メーターの山頂では雪が降りだした。
この日はまっすぐ流れる谷川の両側の斜面は白っぽいサクラの花で覆われている。この地方はさくらんぼの生産地で山頂から川岸まで見事に耕かされた段差の激しい土地。天気が悪いためとサクラにピンクの派手な色がないため、歓声を上げるような素晴らしい景色は見られなかった。
谷間の最奥から山へ登るジグザグ道が長く続いており、パワーのないキャンパーは喘ぎ喘ぎ登ったが、この道はトラックの運転手にはよほど知られた道らしく一台も追い越されもせず、出会いもしなかった。
たどり着いた台地から左に見える高い山はまだ真っ白の雪におおわれ、ここから北東にほぼ直線に伸びる国道110号はスペインの高台を縦断する。海抜1000メータ以上のこのあたりは気温も低く4月半ばでまだ一桁。もう3ヶ月も温かい海辺の町で過ごした身にはこの寒さが応える。
今夜のキャンプ予定地まで300km以上もあるのにこのパワーの無さはどうだ。どこかの修理工場で見てもらおうとカーナビをセットし、高原の町アヴィラ(Avila)へ進んだ。町の入口には素晴らしい城壁が長く伸びていた。モウ過去2回もこのメイン道路を走っているが、メイン道路は市街地を迂回しているから今まで見たことがなかった。
止まって見て歩きたいものだが、今はそれどころじゃない。カーナビで大きな街を縦断して反対側の工業地帯に修理工場を見つけた。
それが12時半、30分ほど待って電子器具を持った修理工が2人やって来ていろいろ調べた結果、修理は4時から始めるという。
そうここはスペイン、シアスタが有って2時間以上もあちこち閉まってしまう。またキャンパーで出かけたならば同じ道へ戻って来られなくなるからじっと我慢、キャンパーの中でお昼を食べ本を読んだり昼寝までして彼らが帰ってくるのを待った。
4時から彼らはフィルターやパイプを変えて5時ころに完成した。料金も英国の半額ほど、大喜びで今夜のキャンプ場を目指す。空が少しづつ明るくなってきて気分が良い。エンジンの音も非常に軽く感じられる。坂道も前よりずいぶん早く走られそうなと亭主はいうがこの国道110号の前方に急坂はもう無い。
今回が3度めの高級キャンプサイトCamping Riazaへついたのは7時だった。
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