毎年9月半ばの週末2日間にロンドン中の有名、無名の普段は一般公開しない建築物や、入場料を払って入る建築物が、無料で一般公開される。
その場ですぐ入場できるところもあれば、8月中の期日までに申込書を送らねば入場できないところもあり、これらの会場リストが各区内の図書館に無料配布されている。
そこでロンドン在住の日本人の友達数人で、この日しかないと、なるべく多くを見るために朝9時集合で駆け回った。
その第一日目が外務省だった。この外務省はトラファルガースクエアーから国会議事堂へ向かう道ホワイトホールの途中にありヴィクトリア朝時代の壮大華麗な建築物だった。
ここが開くのは10時との事で9時20分ごろに行ってみるともう20人ばかりの行列が出来ていた。すぐ行列に並ぶとそれ以来どんどん人々が集まってきて、行列は10時ころには建物を曲がってまだまだ伸びている模様。
外務省職員が朝寝坊したとかで、開館が遅れ10時15分にやっと開場した。一団は50人くらいずつ入場可で、私たち待った甲斐あり、はじめのグループで入場できた。
門をくぐって中庭は駐車場になっているが周囲の建物はなかなか立派、長い廊下を進むと天井付の素晴らしいスクエアーに着いた。中のタイルの床も素晴らしいが、周囲の壁に飾られている彫刻は歴史を物語っているらしい。
この国に住んでもう40年近くになるが、過去200年のこの国の歴史など私の貧しい知識では到底判る由も無い。
ただこの国が大英帝国として一番ピークだったのがヴィクトリア時代だったらしいことがよーく判った。この彫刻で見るとヴィクトリア朝時代の偉い人たちがローマ人の服装をしている。この当時これが流行だったらしい。
2階をめぐると素晴らしく装飾された部屋にたどり着いた。ここは外国からの貴賓客を迎えてのパーティ会場だったらしい。その部屋を通り抜けると石つくりの階段と踊り場、その周囲の一部屋が現外務大臣のウイリアム・ヘイグの部屋だと警備員が教えてくれた。
あらゆる壁も天井も壁画で埋まりすべて歴史を物語っている。
天井中心の巨大な円周の中には5大陸の主要国が描かれ、日本もアジアの一員として入っていたから安心した。
階段下にヴィクトリア女王の紋章があった。と言うことはこの辺りのデコレーションは150年かそれ以前ということになる。
若い女性職員がアンケートを取っていたので、ヨーロッパをいろいろ回ってみたがやっぱりロンドンが一番素晴らしいと言ったら大喜びしていた。
建物のホワイトホールに面した外周の壁には、工業、化学、農業、芸術、音楽などの女神像が彫られてあった。今までこのとおりを何度も通り過ぎて、一度も気がつかなかった。
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