気がつけば4月スタートのTVドラマ、週一モノで録画視聴続いているのは『美味(デリシャス)學院』(月17:30~)だけになってました。
在宅できたとしてもこの時間だと夕食の支度で100%リアルタイム視聴は不可能なんですが、就寝前巻き戻して見るのにちょうどいい腹ごたえなんだな。深夜ドラマからエロ、グロ要素を引き算した味とでも言いますか。
スタート当初は学芸会チックだった生徒組も回を追うごとにキャラ立ってきたし。中でもメガネの先輩・南郷が最近おもしろくてしょうがない。演じる中村優一くん、『仮面ライダー響鬼』の桐矢京介役と同一人物とは思えないはじけっぷりです。桐矢はあらかじめ嫌われ役設定だった上、シロウトが見てても明らかな、企画迷走による急造キャラで、ただでさえ演技経験の少ない優一くん、「どういうキャラだよ?」「NG出ませんように」という手探り感、ビクビク感が画面からも伝わってきて気の毒なくらいだった。ビクビクやってる嫌われ役って、そりゃ切ないよね。
今作は一転、声は出てる、腕は振れてる、もう観てて気持ちいいくらい行き切ってます。5話の女子部交流会篇以降おしゃれ秀才くんメガネに変わっちゃったけど、お笑いビン底メガネも似合ってました。今日の7話をまとめると、要するに南郷先輩、三条アゲハと男子校妄想、両刀イケるヤツなのか。決めポーズで両手に鉄板焼きゴテ持ってるのはそういう意味なのか(なわけないか)。
昨夜は『NHKアーカイブス』で86年放送のNHK特集『手塚治虫・創作の秘密』を開始15分後頃から出会いがしら視聴。
86年と言えばプレ・バブル期、コミック雑誌の発行部数もまだ右肩上がりだったのではないでしょうか。パーティー出席中や移動の乗り物の中でも連載原稿書くようなすさまじい過密スケジュールで、「(書けた分だけ編集者に渡して)あとはアレ、あの…なんだっけ、コピーじゃなくて…」と“ファクシミリ”という単語が出てこないマンガの神様。
小学校4年ぐらいまでは結構マンガっ子だった月河ですが、手塚作品はあんまり絵柄が好みではなかったのか、『鉄腕アトム』ぐらいまでのお付き合いで自然に卒業、さほど熱入れて追いかけ読み込んだ記憶はないものの、手塚さん、28年(昭和3年)のお生まれで、この番組が放送されてから3年後の89年に60歳で亡くなっておられますから、ご存命ならば今年79歳。さすがに連載複数本バリバリとはいかないでしょうがじゅうぶん現役で描いておられてもおかしくない年代なだけでなく、月河にとってはドンズバ親世代。
同じ漫画の世界で言えば、96年に亡くなった『オバQ』『パーマン』の藤子F‐不二雄さんが33年(昭和8年)生まれ。04年にいかりや長介さんが72歳で亡くなったときにも思ったのですが、月河世代が幼児~小学生の頃に見聴きしておもしろいこと、楽しかったものを一生懸命に作ったり書いたり演ったりしてくれていた人たちは、みんな親世代なんですね。植木等さんも26年生まれ、ちょっと上になるけどほぼ同年代。伯父伯母世代かな。
しかも、こう言っちゃなんだけど、それぞれの世界のパイオニアとして人跡未踏の地を開墾した人、ひとつのフィールドにとどまらず多角的に、いい意味で欲張った活動をした人ほど早世したり、一線を早くに退いたりされているような気がする。
こう考えてくると、自分は自分の子世代に、何を与え、遺してやれるのだろうと、一瞬(一瞬かい!)複雑な気持ちになります。
気がつけば『美味學院』出演中の優一くん、AAA(トリプルエー)メンバーらは軒並み18~20歳、めいっぱい息子世代ですぜ。どうしてくれよう。親世代の月河が、コイツらのマンガドラマ録画して深夜ウケてる場合ではないではないか。
来週から、上から目線でダメ出しメールとか送ってやるか。「おもしろくない!」「もっと壊れろ!」なんつって。DVDも買って細かくチェックしてやるか(結局見たいんかい)。