林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

森林療法

2007-11-14 | お節介

  秋の山道で

 フィトンチッドを浴びる「森林浴」という健康法があるが、本当に効くのだろうか。
会社を辞めて以来、都会に住んでいる人に較べて、近所の森林を歩く機会が多くなった。
しかし、特に健康になったという自覚は無く、相変わらず血圧や血糖値はすぐ治療を必要とするほどではないが、要注意と指摘されている。

そこで、「日高ライブラリーカレッジ」の森林療法公開講座を聴講した。
講師の准教授のお話しでは、非常に効き目があるそうである。
「森林浴」なぞというチンケな「健康法」ではなく、最近では「森林療法」どころか「フォレストセラピー」にまで格上げされた模様である。

「森林療法」とは、

  森林の地形や自然を利用した医療、リハビリテーション、カウンセリング等を指し、
  森林浴を通じた健康の回復、維持、増進活動

をする「療法」、つまり気取って「セラピー」、だそうである。
各医療機関の中高年健康対策として関心が集まっている、そうである。

効果は、

  高血圧や高血糖値を下げ、
  高齢者の認知症を抑え、改善し
  虐待されて心を閉した児童の心を開き
  非行少年を改心させ、
  疲れたおじさんやおばさんのイライラを癒してくれる、

その他等々、良いとこずくめである。
そうかなぁ、なんである。

講演後、先生が(気味悪いほど)絶賛する具体的に突っ込んだ質問がいくつかあった。
ご回答は拙いことに、森林ならどこでも構わぬ、ではなく、

  よく手入れされた明るい針葉樹と広葉樹の混交森林、
  車や工場や航空機など人工的な騒音が無い、
  せせらぎがチョロチョロ流れ、静かな池など水辺があり、
  風がソヨソヨとf2ゆらぎ(かな?)のそよぐ、
  小鳥が囀る森林、

でなければならない。

  飯能市天覧山西麓

難しいね。日高や飯能じゃ無理だ。
森林は荒れ放題だし、夏から晩秋までは薮蚊と虻、冬から春先は烈風だ。町の騒音も聞こえてくる。
爽やかな高原の良く管理された森林とは異なり、街中のケアが必要な人には耐えられないだろう。
市の職員がもしこの講演を聴いていたら、おっ、清流文化都市の活性化になり、地元にカネが落ちるベエ、となるのだろうが.....。
先生は長野県信濃町の「癒しの森」を紹介してくれたので、見学体験してからにして下さいよ。

効果についても頼りないのである。
科学的、組織的に効果を保証するには、まだ研究不足らしいのであった。
効果の測定対象数は、新薬の場合の3000人でも不十分だと言う先生もいるのに、わずか十数人の被験者で効果を云々している場合が多いようだ。
つまり、科学的な裏づけがマダマダなのである。
そして、効果は個人差が大きい、と予防線。

それに、カウンセラーが同伴する必要があるし、プログラムなるものを用意して、それに従わなくてはならない、などいろいろ決まりごとが多くて、窮屈なのである。

やっぱりな、ではあったが「森林療法」は、「心のケア」と同様に今後大いに流行るのではなかろうか。
何かとカタカナが多いし、「癒し」も乱発していて何より格好いい。
先生はHPをお持ちで、今日の講演も最後にはご自分が代表になっている「NPO法人日本森林療法協会」への入会をお勧めでした。

期待の森林療法は健康食品程度のものでした。
ま、短期間で劇的に効き目のある「療法」なんかあるわけが無いよね。
だから「フォレストセラピー」にして、曖昧にしたのだろう。

カウンセラーに従い、森林をぶらぶら歩き、大木にハグハグすればもっと癒されるなんて破廉恥です。他人に見られて恥ずかしくないのかぃ。
近所の雑木林整備作業の方が効き目は確かである。身体も雑木林も健康になる。
証拠は近くの「丘の上公園」とボランティアの人たちです。



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