1970年末、バッドフィンガーは前作No Diceが発売され翌年の1月に前作同様ビートルズのレコーディング・エンジニアだったジェフ・エメリックがプロデューサーに据えてニュー・アルバムのレコーディングを開始。
ところが12曲が完成し すでにシングルの発表が決定されていたにもかかわらず、アップルからシングルとアルバムの発売のダメ出しが…
それを見かねたジョージ・ハリソンが手を差し伸べ、幾らかの曲を再録音し、また新たな曲を加えることでアルバムを再編集する事に。ただジョージはバングラデェシュのチャリティー・コンサートの準備のため繁忙を極め、結局ジョージの制作作業は未完のまま終わりビートルズ・フリークだったトッド・ラングレンがその仕事を引き継ぐ事となった。
いろいろと振り回された彼らではあったが完成したアルバム、Straight Upは“ビートルズのような”という形容詞が付きまとうもののなかなかの快作となった。
特にピート・ハムが作曲したBaby Blue、 Name Of Gameに Day After Day などは印象的で素晴らしい。
アルバムは全米14位、シングル・カットされたDay After Dayは全米4位とそこそこの成功を収めたと思う。ただ、それまでいい曲を作りピートとバンドを引っ張ってきたトム・エバンスがちょっと元気なくしているのかな?
Straight Up、総力を注ぎ込みまさしくガチで制作されたアルバム!
1993年に再発されたCDは6曲のボートラが付いてきてそのうち5曲はジェフ・エメリックがプロデュースしアップルからダメ出しを喰らったオリジナル・バージョン。
ジョージやトッドのプロデュースによる再録バージョンと聴き比べる事が出来る優れもの。