CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

ジャズ・ロック

2022年04月07日 | PROG ROCK

ケビン・エヤーズやロバート・ワイアットらが中心となって1968年、サイケデリック・サウンドが売りのファースト・アルバムを出した頃の芸風は今は昔。メンバー・チェンジを繰り返す事によってバンドのサウンドは様変わりとなった。

特に1970年、キース・ティペット・グループからメンバーが加入してミニマルなアレンジをベースした先鋭的なフリー・ジャズが売りのインスト系ロック・バンドとなってからは、バンド創設者のロバート・ワイアットは居場所がバンド内に無くなり脱退、さらにメンバー・チェンジを重ねた1973年、6枚目のアルバムが登場。アルバム・タイトルは単に6とシンプルなものに。

(こっ、こっ、これは一体? 宇宙に漂う未知の生命体の臓器のようにも思えるが...)

(LP 2枚組のアルバムで、1枚目がライブ2枚目がスタジオ録音でそれぞれ新曲が収録されている)

ここでも芸風の転換が始まりそれまでの先鋭的なフリー・ジャズの部分が消え行くことに。

まだまだミニマルなアレンジは健在ではあるが、それまでと比べてややリスナー・フレンドリーなソフト・マシーンのジャズ・ロック、ここに誕生となる。

とは言え、ジャズ方面ノービス・クラスの私などがヘッド・フォンをあてがわれて集中して聴くようにとお達しが出たとすればちょっと厳しいかな?

やっぱり音量を絞ってバック・グラウンドで流し、ながら聴きするのがオススメですかね。

今のフレーズ中々いいじゃん!と時折思い出したように呟くのがデフォとなっている。

キリッ!


無名バンド

2022年04月06日 | AMERICAN ROCK/POPS

ザッパ先生率いるマザーズから諸説色々あるみたいだが解雇されたローウェル・ジョージが自前のバンドを結成。

そのファースト・アルバムが1971年のセルフ・タイトルのLittle Feat。

澄み切った青空に引き込まれる。

彼らの人気が出るのは3枚目のDixie Chickenからであって、特にファースト・アルバムは皆目売れなかったそうな。

かく言う私も、CD化されたからようやくお目にかかる次第だった。

何となくザ・バンドの香りも漂う、アメリカ南部のアーシーな雰囲気にローウェル・ジョージの唸るスライドが絡むご機嫌なアルバム。ライ・クーダーもローウェル・ジョージが怪我をしたとのことで得意のボトルネックをWillin’で披露。

無名ではあるけど間違いない!


キンクス一般論

2022年04月05日 | BRITISH ROCK

一般世間との波長が合わずやっていることが中々理解されないお馴染みキンクスの1971年の10枚目のオリジナル・スタジオ・アルバム、Muswell Hillbillies。

パイ(英)・リプリーズ(米)との契約がきれ、新たに契約したRCAからの第一弾。

レイとデイブのダイビス兄弟が生まれ育ったノース・ロンドンの場末と言えるマスウェル・ヒルを題材にしたアルバムで、彼らの母国イギリスよりはアメリカの南部あたりの雰囲気が漂い、英国のビート・バンドがこれやるか~って感じの不思議なアルバム。

英米どちらもあまり売れず残念な結果となり、キンクス、痛(つう)!ってなった方々も当時いたかもしれないが、キンクス通な人には中々好評を持って向かい入れられたと思う。

次もこの路線で行ってくれたらと言う思いがあったものの、さすがひねくれ者のレイ・デイビス、思い叶わず凡人の私などには考えも及ば無い展開となっていく。

それでもキンクスの作品ではこのアルバムは中興の祖とでも言える存在ですかね。(あくまで個人的な感想です)

思い出深い古い街並みはやがて解体される運命に。


Destination Nowhere

2022年04月04日 | AMERICAN ROCK/POPS

でかいアメ車に乗って当てもなく街に出てみよう~!てな感じのジョン・ボン・ジョビが1997年に出した2枚目のソロ・アルバム、Destination Nowhere。

よく運転中に聴いていました。

バンドのBon Joviと比べると全体的に少々暗い印象だけど、出だしのQueen Of New OrleansからJanie, Don’t Take Your Love To Town、そしてMidnight In Chelseaと繋がっていく感じがなかなか心地よい。

ただ、CD一枚にびっしり60分以上の曲が詰め込まれていて、後半に行くに従って少々ダレ気味になってくる。

その昔70年代のでかいアメ車何度か運転したことがあるけど、路面からの衝撃を吸収するためか日本車と比べるとサスが柔らかすぎてフワフワで、当てもなく街中を長く乗り回しているとかえって疲れたような記憶が…

曲数を減らすか、それぞれの曲の冗長に感じる部分を削り取る、例えばキメのサビの部分を複数回繰り返すのだけではなく最小限に抑えもう一度聴いてみたいと感じさせるような工夫をしメリハリつければ個人的にはヘビロテ間違いなしのCDだと思うのだが….

Destination NowhereでなくDestination 近所のコンビニぐらいだったらよかったかも。(個人の感想です)


キャピトル編集のラバー・ソウル久々に聴いてみた

2022年04月03日 | BEATLES-BADFINGER関連

以前このブログでアップした通りキャピトル盤は英盤から、Drive My Car, Nowhere Man, What Goes On とIf I Need Someoneが除かれ、英盤Helpから I’ve Just Seen A FaceとIt’s Only Loveが収録。

(アップル・レーベルの米キャピトル盤、キャピトル・ウインチェスター工場での1971年の再プレス盤)

そのI’m Looking Through Youであるが、失敗したイントロ部の演奏を含んだステレオ音源そのままのを収録している所が興味深い。

アメリカのキャピトルはそれまでビートルズのアルバムを切り刻んで収録時間を短縮した独自編集のアルバムを連発。あたかも水増し商法のような販売手法に不満を持ったビートルズ・サイドはその腹いせにこの音源を送った様な気もするし、またキャピトルはキャピトルでその意趣返しだったのかこの曲に限って編集なしにそっくりそのままアルバムに収録したのは、結構双方がやり合っていたような感じですかね?

それがエスカレートしたのが次作の米盤、Yesterday & Todayで起こったブッチャー・カバー事件。ビートルズ・サイドから意図的に送られてきたかのような少々グロテスクな写真をアルバム・ジャケにまたもやそのまま採用、ただ今度は販売現場からのクレームを受けてキャピトルは商品の回収にあたりジャケのデザイン変更を強いられる大きな騒動となった。

(ブッチャー・カバー盤)

(再発されたトランク・カバー盤)

真実は当人達だけしかわからないのではあるが、レボルバー以降のペパー軍曹のアルバムからは曲目からアルバム・デザインに至るまで編集は英米で統一されることとなった。

英オリジナルのラバー・ソウルは今までの路線とは異なる新しい路線で制作されたたものの、米盤に関してはHelpからの2曲によってフォーク・ロックの色合いが濃くなった印象。

まあ、これはこれで久々に楽しめた。


4月になれば、その2

2022年04月02日 | S&G and etc.

年度制をとる日本では1月よりも4月の方が季節の変わり目がより感じられる。

ところで“4月になれば”とくれば私のようなオールド・タイマーなら“彼女は”ってつながる。

ご存じサイモンとガーファンクルの1966年の2枚目のアルバム、Sound Of Silenceに収録されたアコギ伴奏だけのシンプルな曲。

1964年、満を持して世に出た彼らのデビューアルバム、Wednesday Mornig, 3AMがシンプルすぎたアレンジメントが原因だったのか見事ずっこけたことから、ポールはその後の活動をイギリスに見出そうと渡英し、1965年にはThe Paul Simon Songbookなるソロ・アルバムを出すも未だ道開ずの状態だった。

ただディランやバーズなどエレクトリック・サウンドを使ったフォーク・ロックの影響を受けて、アコギ・バージョンをダビングによる電化によって完成しシングル・カットされたSound Of Silence改が全米1位の大ヒットを記録。

ポールがニューヨークに戻り、学業を終了したアート(名門コロンビア大卒業し院に進んで数学のマスター習得、かなりの高学歴に驚く)も加わりレコーディングが開始され、完成したのがこのアルバム、Sound Of Silence。

アメリカ、ステレオ盤ファーストプレスのデザイン。何だか寒風吹き荒ぶ山道に分け入る姿が暗いイメージかな?

このアルバムには色々なジャケ・バージョンがあり、緑のアルバム・タイトルが何だか明るさを感じさせる。

全ての曲を電化したのではなく、数曲はシンプルなそれまでのアコースティック・バージョンでメリハリを付けたのが良かったのかも…  アルバムも全米21位と人気グループに仲間入りを果たした。

“4月になれば彼女は”って曲は前作を継承するアコギ伴奏のシンプルな曲ではあるが、その後の映画”卒業”のサントラ盤にも登場する彼らにとって代表曲の一つ。

4月になれば、きっと彼女は帰ってくる…

そう希望に満ちた月でなのである。


4月になれば

2022年04月01日 | West Coast Rock

早いもので今日から4月。ただ今日は風が心持ち強く感じ、肌寒い一日だった。

ところで4月と言えば、1969年のバンド結成時からの唯一の生き残りだったラスティー・ヤングがちょうど1年前の4月にこの世を去った。

カントリー・ロック・バンドのポコは結成当時の中心メンバーだったジム・メッシーナとリッチー・フュ-レイが相次いでバンドから去り、のちにバンド内のソング・ライターの一人であったティモシー・シュミットがイーグルスに引き抜かれ、更にドラムのジョージ・グランサムまでもが脱退しバンドの存続が危ぶまれた。

脱退したジムの代わりにサード・アルバム、From The Insideから加入したポール・コットンは残った盟友ラスティーと絆をより深め新たに2名の英国人ミュージシャンを補充し再起を図る。

そしてその答えが1978年のスタジオ·アルバム、Legend。何とこのアルバム全米14位まで上り詰めゴールド·アルバムに認定され、ポコ史上の最も売れたアルバムとなった。

ラスティー作、ラスティーの歌うCrasy Loveがシングルカットされ、これもポコ最大のシングル・ヒット(全米17位)となる。

(1979年の再発盤、1978年のオリジナルはABCレーベルから発売されたが、その翌年にABCはMCAレコードに買収された。)

バンドはその後もメンバーを入れ替え存続して行くこととなる。

ところが昨年何故かラスティーの後を追うかのようにポールもその2ヶ月後に亡くなってしまった。

残ったメンバーがポコを存続させるどうかは定かではないが、ラスティーとポールのいないポコは私にとってはやっぱりあり得ない。

ただ心の中でカントリー・ロック・バンドのLegendとして彼らの名は残っていく。