年度制をとる日本では1月よりも4月の方が季節の変わり目がより感じられる。
ところで“4月になれば”とくれば私のようなオールド・タイマーなら“彼女は”ってつながる。
ご存じサイモンとガーファンクルの1966年の2枚目のアルバム、Sound Of Silenceに収録されたアコギ伴奏だけのシンプルな曲。
1964年、満を持して世に出た彼らのデビューアルバム、Wednesday Mornig, 3AMがシンプルすぎたアレンジメントが原因だったのか見事ずっこけたことから、ポールはその後の活動をイギリスに見出そうと渡英し、1965年にはThe Paul Simon Songbookなるソロ・アルバムを出すも未だ道開ずの状態だった。
ただディランやバーズなどエレクトリック・サウンドを使ったフォーク・ロックの影響を受けて、アコギ・バージョンをダビングによる電化によって完成しシングル・カットされたSound Of Silence改が全米1位の大ヒットを記録。
ポールがニューヨークに戻り、学業を終了したアート(名門コロンビア大卒業し院に進んで数学のマスター習得、かなりの高学歴に驚く)も加わりレコーディングが開始され、完成したのがこのアルバム、Sound Of Silence。
アメリカ、ステレオ盤ファーストプレスのデザイン。何だか寒風吹き荒ぶ山道に分け入る姿が暗いイメージかな?
このアルバムには色々なジャケ・バージョンがあり、緑のアルバム・タイトルが何だか明るさを感じさせる。
全ての曲を電化したのではなく、数曲はシンプルなそれまでのアコースティック・バージョンでメリハリを付けたのが良かったのかも… アルバムも全米21位と人気グループに仲間入りを果たした。
“4月になれば彼女は”って曲は前作を継承するアコギ伴奏のシンプルな曲ではあるが、その後の映画”卒業”のサントラ盤にも登場する彼らにとって代表曲の一つ。
4月になれば、きっと彼女は帰ってくる…
そう希望に満ちた月でなのである。