LPレコードの場合、約30cmx30cmのサイズのレコード収納するスリーブに描かれたアート・ワークはCDサイズでは決して味わう事のできない魅力がある。
特に購入するレコードを決めずにふらっとレコード・ショップに入り、パタパタとレコードのジャケを眺めていると、あるアート・ワークに惹かれて指が止まる事も。
このレコードもそのうちの一つで、ジャケのアート・ワークに惹かれたジャケ買いだった。
Panと言う名のバンドで、60年代中頃にデビューしたサンフランシスコ出身のフォーク・ロック・バンド、ボー・ブランメルズ出身のロン・エリオットと当時エンジニアやプロデューサーで活躍していたヴァル・ギャレイらが中心となって結成し、何でもウエスト・コースト系のサウンドが特徴らしい。
全く知らなかった。
ライナーにはバッファロー・スプリングフィールドやCS&Nの系譜を継ぐとか書かれていて、一聴してみるとリッチー・フューレイ時代のPocoの様な印象も受けた。
因みに1973年、セルフ・タイトルのこのアルバムを出してデビューしたが、これ一枚で解散と。
それからアート・ワークのこのアール・ヌーヴォー調のイラストを調べてみると、Pan 1895-96なるタイトルで19世紀ドイツ人のJosef Sattlerによって描かれ、当時のアートの雑誌の表紙を飾っているとのこと。
Panはパーンと発音し、笛を持ったギリシャ神話に登場する牧畜の神だとか。
ああ~それで角みたいなのが2本生えているのか…
それにしても、アメリカでそこそこ売れたアルバムが日本では意外と人気なかったりまた発売を見合わせりすることが結構ある反面、アメリカで全く無名のバンドのLPが何故か日本で突如プレスされたりと、その感性の違いに驚いてしまう事多々。