朝から雨・・・

重い。
冬の雨は重い、そう思わない？
暗い・・・眠い、瞼が重く開けようとするのを雨空が邪魔をする。
触れると冷たく、温もり始めた体温を木の葉を散らすように奪っていく。
哀しい、哀愁を秘めた冬の雨模様、
つい、燃える炎の暖かさで暖をとり、愛する人の温もりを求めてしまう冬、
私はこの冬の始まりが好きで、木の葉が染まって散りながらバージンロードを作る、
木の葉が敷き詰められた色彩豊かな冬の道が大好きである。
木の葉。

冬・・・

その始まりは炎上
それは一本の優しい蝋燭の炎でなく
激しく強く一気に燃えあがる真昼の明るさ
この一枚の明るさ
舞い落ちても失せないこの色彩の鮮やかさ
人はこういかない

我が骸は汚く
死に化粧しないと生前の精気は浮かばず
哀れなもの
虚勢を張ったこの屍から色彩が消え
その姿は朽ち果てる欠片
人の散り
終焉とは哀れなものだ
木の葉
最後に魅せる色彩の饗宴に
人の散り到底及ばない

いま
激しく欲情の炎となって燃え上がり崩れ落ちる
一枚の木の葉に燻ぶる残像の熱い想いを
別れという儚さに摺りかえる人間の欲深さ
人とはそんな一時的なもの
いましゃぶるように四季を味合う。