私の色彩

朝。
表に出ると空がいつもの表情を消そうとしている、
あれほど激しく鳴いていたクマゼミの鳴き声も細くなり、彼らの骸が一枚の枯葉のように散らばる姿が目につく昨今秋が霧雨のように落下して心を濡らす。
春の三寒四温に比べると秋は迷い気まぐれかも知れない、
その気にさせたな・・・そう思うともう今日はやめ、そう言って風を送ることを止めて木陰で座っている。

空はもう青空が消され灰色に染まり始めている、
これじゃ夜は雨かな・・・
私の表情もそれに合わせ曇る。

色彩

この世界は多彩
オール天然色の世界である
時々モノトーンになるけど
それは短い時間だ
消され
塗りなおされ
また消され
塗られる多彩な建造物と住民たち

私は染まらない
そう言っても
やがて終焉の色彩に染まって朽ちる
そういうものだ

褪せない
朽ちない
保持してなんて
それは不可能でなかなか難しいもの
そう
自然体が一番

この風に
この気温に
この四季に任せて活きる
それが一番
被として
いつも被告席に座り
素直でありたい。