公開当時、劇場で観ようかどうしようかって迷った作品です。
でもなんだか、コメディだし(^_^;)ま、いいかなって感じでスルーしてました。
で先日、祝・続編完成記念? ということでテレビ放映していたので「まぁ、観るか」と。。
ところがところが、「こ、これって面白い…」と、かなりびっくり。
まさに笑いあり、涙あり、本格的な殺陣だって、参勤交代についてのレクチャーだってある、というなんとも「美味しいところ満載」な作品だったわけですよ。
いいなぁ、と思ったのが、参勤交代から地元に帰った湯長谷藩殿様が方言丸出しで「国はやっぱりいいよなぁ~」とつぶやくところ。ちなみに、このいわきの湯長谷藩は石高1万5千石。で、超が付く貧乏藩という設定です。
知らなかったのですが、WEBで調べるとこのクラスのお大名って結構ある。慶応4年当時でお隣の泉藩は2万石、平藩(大名行列を貸してくれたお殿様の藩)は3万石。二桁の数字を持つ藩の方がむしろ少ないくらいなんですね。隙あらば攻め込むなんて、当時でさえ遥か昔のおとぎ話で、困った時はお互い様のご近所付き合いが現実だったのかもしれません。(か、どうかはわかりませんが)
もともと参勤交代って「徳川幕府による、諸藩が力をつけないための強制出費政策」だったわけだけど、1万石クラスの大名なんかには、幕府に立てつく余裕すらなく、ひたすら「お家を潰されないための最低限の恭順姿勢」だったことでしょう。
物語は、藩のため殿様のため「お金がない中でみんなが知恵を絞って難局を乗り越え、問題解決をする(敵に勝つ)」というプロセス。
時代劇なんだけど「みんなで問題解決するぞー、エイエイおー」な、時空を超えたパッションが観た人のココロに素直に響いたんじゃないのかな。
今の時代「みんなで一丸になって」という体験はしたくてもできない(というより怖くてできない?)。正直、湯長谷藩のこの道中は今でいう「ブラック企業」そのもの(寝られない休めない安全衛生感覚ゼロ)だし、なんとか無事に部下をまとめて江戸屋敷にたどり着いたのに、お姫様に「知恵を出せ、出せねば俸禄を減らすぞよ!」なんて言われちゃうご家老、まさにプレイングマネージャーの悲哀そのものだし(^_^;)
でも、みんな一丸になって、お互いを思いやり、励まし合いながら、仕事したいな~って。そんな気持ちは心の中になくもない。。。
とにかくヒトもサルもウマもダイコンも、みんな頑張ってるこの作品、今更ながらちょっとおススメです(^o^)。