12月の看護部・検査部便り
皆様こんにちは。
今年も残すところ、あとわずかとなりましたね。
1年を振り返ると共に、
来年の目標を定めていかなくては、と思う今日この頃です。
今回は、治療の進め方についてお話します。
特に、体外受精をお考え中の方々や、迷われている方々のご参考になれば、幸いです。
当院では、1年以内の妊娠を目指し、治療のスケジュールを立てています。
治療が長期化してくるとご夫婦ともにストレスを感じ、
女性はストレスから卵巣機能が低下するなど悪循環となってしまうからです。
まずは、2~3周期タイミング療法を行い結果が出なければ、人工授精を行います。
人工授精は‘人工'という名称は付いているものの、
受精・着床と妊娠に至る仕組みは自然妊娠と何ら変わりありません。
精子の出発地点を変えてあげるだけです。
性交渉においては、精子は膣から出発し子宮、卵管へと向かって行きます。
しかし、ここで子宮の入口部分に、子宮頚管部という関門があります。
頚管部をうまく進んでいくことができず、
子宮内に辿り着けないままになってしまう精子があります。
そこで、人工授精は細いカテーテルを使用し、精子を直接子宮内へ届けます。
より多くの精子が卵管へと向かっていくため受精の可能性は高くなります。
しかし、多くの精子が卵管内へと入っていっても、
卵子が卵管内に入ってこなければ、無論、受精はしません。
卵管の先端部分(卵管采と言い、イソギンチャクの様な状態になっています)が、
卵子を掴まえて卵管内へ送り届ける(キャッチアップまたはピックアップと言います)のは、
毎回確実に行われる訳ではなく、一般的に25%ほどの確率だと言われています。
また、キャッチアップされても、その後に必ずしも受精できる訳ではありません。
ある統計では、人工授精で妊娠される方の80%以上が3~4回以内の人工授精で成功しています。
言い換えると、‘人工授精を3~4回行って妊娠に至らない場合は、
人工授精では解決できない問題により妊娠に至っていない'ということです。
その理由の大半が、精子と卵子が受精できていないということです。
そこで、人工授精を3~4回行った後は体外受精が必要となります。
体外受精は、精子と卵子を体の外で受精させてから受精卵を子宮に戻す方法です。
体外受精を早いうちに行っていことの利点として、
若い卵子の方が染色体異常が少ないため、
受精率・妊娠率が高く、また流産率が少ないということが言えます。
加齢と共に卵子も老化し、染色体異常が増えていきます。
染色体に異常を持った卵子は、受精しなかったり、
受精しても受精卵の成長が途中で止まってしまい妊娠に至らないことが多いのです。
さらに、妊娠に至っても流産してしまうことも多いです。
一般的に流産の確率は、
30歳以下で8~15%・35歳で20%・40歳で40%・42歳で50%・45歳以上で70~80% と言われています。
明らかに年齢と共に増えていくことが分かりますね。
また、染色体異常があっても出産に至る例として、代表的なのがダウン症です。
ダウン症の発生率も年齢と共に増加し、
29歳以下で1000人に1人・30歳で900人に1人・35歳で385人に1人・40歳で100人に1人・45歳以上で25人に1人と言われています。
体外受精では複数個の卵子を採り、受精させてから凍結し保存しておくことが可能です。
凍結した受精卵は、質が変化することなく半永久的に保存しておくことが可能です。
ですので、お一人目を授かった後、3年後5年後にお二人目三人目を望まれていく場合にも、
実際年齢より高い妊娠率が期待できます。
受精卵が若いからです。
体外受精をしても、100%妊娠できるという訳ではありません。
生命の誕生に、医療が影響できるのはわずかな部分です。
それほどに、妊娠とは人の手の及ばない神秘的で、奇跡的なことなのですね。
私たちは、その可能性を最大限に引き出すお手伝いを致します。
以前、ある患者さんが体外受精について、
「早く私たちの元に生まれたいと望んでいる赤ちゃんを、一日も早く迎えにいくための手段」とおっしゃっていました。
自然に授かった子も、体外受精で授かった子も、可愛い我が子です。
そこには、何の違いもありません。
ならば、一日でも早く、我が子を抱きしめてあげたいですね。
年末年始と慌ただしくなることもあるでしょうが、治療についてもご夫婦でよくご相談なさって下さい。
治療の流れやスケジュール、コスト、など気になる点があれば、お気軽に声を掛けて下さいね。
寒さが増しております。くれぐれも、お体にお気をつけ下さいね。
とくおかLC看護部・検査部スタッフより
とくおかレディースクリニック
皆様こんにちは。
今年も残すところ、あとわずかとなりましたね。
1年を振り返ると共に、
来年の目標を定めていかなくては、と思う今日この頃です。
今回は、治療の進め方についてお話します。
特に、体外受精をお考え中の方々や、迷われている方々のご参考になれば、幸いです。
当院では、1年以内の妊娠を目指し、治療のスケジュールを立てています。
治療が長期化してくるとご夫婦ともにストレスを感じ、
女性はストレスから卵巣機能が低下するなど悪循環となってしまうからです。
まずは、2~3周期タイミング療法を行い結果が出なければ、人工授精を行います。
人工授精は‘人工'という名称は付いているものの、
受精・着床と妊娠に至る仕組みは自然妊娠と何ら変わりありません。
精子の出発地点を変えてあげるだけです。
性交渉においては、精子は膣から出発し子宮、卵管へと向かって行きます。
しかし、ここで子宮の入口部分に、子宮頚管部という関門があります。
頚管部をうまく進んでいくことができず、
子宮内に辿り着けないままになってしまう精子があります。
そこで、人工授精は細いカテーテルを使用し、精子を直接子宮内へ届けます。
より多くの精子が卵管へと向かっていくため受精の可能性は高くなります。
しかし、多くの精子が卵管内へと入っていっても、
卵子が卵管内に入ってこなければ、無論、受精はしません。
卵管の先端部分(卵管采と言い、イソギンチャクの様な状態になっています)が、
卵子を掴まえて卵管内へ送り届ける(キャッチアップまたはピックアップと言います)のは、
毎回確実に行われる訳ではなく、一般的に25%ほどの確率だと言われています。
また、キャッチアップされても、その後に必ずしも受精できる訳ではありません。
ある統計では、人工授精で妊娠される方の80%以上が3~4回以内の人工授精で成功しています。
言い換えると、‘人工授精を3~4回行って妊娠に至らない場合は、
人工授精では解決できない問題により妊娠に至っていない'ということです。
その理由の大半が、精子と卵子が受精できていないということです。
そこで、人工授精を3~4回行った後は体外受精が必要となります。
体外受精は、精子と卵子を体の外で受精させてから受精卵を子宮に戻す方法です。
体外受精を早いうちに行っていことの利点として、
若い卵子の方が染色体異常が少ないため、
受精率・妊娠率が高く、また流産率が少ないということが言えます。
加齢と共に卵子も老化し、染色体異常が増えていきます。
染色体に異常を持った卵子は、受精しなかったり、
受精しても受精卵の成長が途中で止まってしまい妊娠に至らないことが多いのです。
さらに、妊娠に至っても流産してしまうことも多いです。
一般的に流産の確率は、
30歳以下で8~15%・35歳で20%・40歳で40%・42歳で50%・45歳以上で70~80% と言われています。
明らかに年齢と共に増えていくことが分かりますね。
また、染色体異常があっても出産に至る例として、代表的なのがダウン症です。
ダウン症の発生率も年齢と共に増加し、
29歳以下で1000人に1人・30歳で900人に1人・35歳で385人に1人・40歳で100人に1人・45歳以上で25人に1人と言われています。
体外受精では複数個の卵子を採り、受精させてから凍結し保存しておくことが可能です。
凍結した受精卵は、質が変化することなく半永久的に保存しておくことが可能です。
ですので、お一人目を授かった後、3年後5年後にお二人目三人目を望まれていく場合にも、
実際年齢より高い妊娠率が期待できます。
受精卵が若いからです。
体外受精をしても、100%妊娠できるという訳ではありません。
生命の誕生に、医療が影響できるのはわずかな部分です。
それほどに、妊娠とは人の手の及ばない神秘的で、奇跡的なことなのですね。
私たちは、その可能性を最大限に引き出すお手伝いを致します。
以前、ある患者さんが体外受精について、
「早く私たちの元に生まれたいと望んでいる赤ちゃんを、一日も早く迎えにいくための手段」とおっしゃっていました。
自然に授かった子も、体外受精で授かった子も、可愛い我が子です。
そこには、何の違いもありません。
ならば、一日でも早く、我が子を抱きしめてあげたいですね。
年末年始と慌ただしくなることもあるでしょうが、治療についてもご夫婦でよくご相談なさって下さい。
治療の流れやスケジュール、コスト、など気になる点があれば、お気軽に声を掛けて下さいね。
寒さが増しております。くれぐれも、お体にお気をつけ下さいね。
とくおかLC看護部・検査部スタッフより
とくおかレディースクリニック