大橋むつおのブログ

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誤訳怪訳日本の神話・11『イザナギの三神・アマテラス』

2021-01-24 06:42:29 | 評論

訳日本の神話・11
『イザナギの三神・アマテラス』
  


 三人姉弟の長女であるアマテラス=天照大神(あまてらすおおみかみ)は、伊勢神宮の神さまであります。   

 伊勢神宮というのは、日本の神社の総元締めで、アマテラスは皇室のご先祖であり、事あるごとに天皇や皇室の方々が参拝されています。
 庶民の間でも伊勢神宮と言うのは「一番偉い神さま」であると同時に、もっとも親しみのある神社で、内宮外宮を含め125社の宮社すべてを含めたもので、正式には『神宮』であります。

 銀座に似ていますね。銀座は単に地名であるだけではなく銀座通りにある商業施設と文化の総称で、単に『銀座』と言えば東京の銀座で、それ以外の(銀座にあやかった)銀座は、わたしの街の高安銀座のように、地名が頭に付きます。

 江戸時代、庶民が旅行する場合には名主や町年寄が発行してくれる通行手形が必要でした。時代劇で関所で「へえ、これでござります」と、関所役人に差し出しチェックしてもらうのが通行手形であります。海外旅行において通関でパスポートを提示するのと同じことですね。パスポートが無いと出入国管理法違反ということで身柄を拘束され、最悪の場合スパイ容疑などをかけられ死刑になることもあります。
 このパスポート無しで、外国に行ける場合があります。
 難民などになって外国に亡命する場合です。亡命には程度の差はありますが、厳しい審査があります。ちなみに日本が受け入れている亡命は、年間で二桁にはなりません。
 そのくらいパスポートと言うのは大変なものなのですね。

 それと同じくらいに通行手形と言うものも大変なものでした。

 ところが、例外的に通行手形無しで庶民が旅に出る手段がありました。

 お蔭参り(抜け参りともいう)であります。

 ある日、空から伊勢神宮のお札が降ってきます(もちろん誰かが蒔いたか作ったりかしたもの)、そのお札を持っていれば、その場から伊勢参りにでかけていいのです。
「お蔭でね スルリトね ぬけたとさ(^^♪」
 などと囃しながら伊勢を目指します。お蔭参りする者は道中、沿道の人たちから無料で食事や宿泊の世話がうけられます。
 天下御免のお蔭参りであったわけですね。
 めったにお蔭参りは起こりませんが、幕末に大流行して治安悪化の原因になり、江戸幕府崩壊の原因の一つになりました。

 なにが言いたいかというと、ことほど左様に伊勢神宮はエライ! ということであります。

 ご祭神のアマテラスはとびきり偉い神さまであるということを頭においてほしいのであります。そして、この偉い神さまの末裔が高天原から日向国(宮崎県)は高千穂の峰に降り立ち東に進んで大和朝廷を作ったということになっております。
 これが神武東征神話になっていくわけですが、そこは後ほど展開ということにいたします。

 アマテラスは、二千年の日本の歴史の中でのスーパースターであるというイメージを持っていただければ、理解が早いように思います。

 わたしの理解が正しければ、日本の最高神なのですが、女性であるのがいいですね。生まれた時から成熟した美女です。わたしの最初のアマテラスのイメージは絵本に載っていた姿でした。八百万の神さまを従えて雲の上に仏像のように立っています。表情が硬いので、ちょっと近寄りがたい印象だったのですが、後に『わんぱく王子のオロチ退治』という映画アニメを観て親近感が湧きました。美女なのですが、ちゃんと声を出して喜怒哀楽もあるのです。高天原のあれこれに気を配っていて、なんだか女性社長という雰囲気でもあります。あんなに気を配っていては大変だろうと思っていたら、『いなり、こんこん、恋いろは』に出てくるアマテラスは中小企業の女社長みたいな、ちょっとメタボなオバサンで、いろいろ経営とかの気苦労していたら、こうなるだろうなという姿で、妙に納得しました。

 次回は、三兄妹の末っ子であるスサノオに迫ってみたいと思います。

 


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