大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!60『パフェを二つ食べた大石クララ』

2024-11-13 16:12:10 | 不思議の国のアリス
魔法少女なんかじゃねえぞ  これでも悪魔だ  悪魔だけどな(≧▢≦)!
60『パフェを二つ食べた大石クララ』 




 オモクロのミニライブを観ている中に黒羽がいる。筋向かいの喫茶店の二階席には、帽子を目深に被った大石クララの姿もあった。

 読者はお気づきだろうが、黒羽は先日、光プロの光ミツルの直感と道楽でつくられたAKR47のチーフディレクター。大石クララはAKRのセンターで、週末アイドルと銘打ったAKRの中で、ただ一人七日間全てをAKRに捧げているチームのリーダーである。

 パチパチパチ……!

 ミニライブが終わると、黒羽は普通のオヤジファンのように目をへの字にして拍手。クララが待っている喫茶店の二階に上がった。

「どうだった」

 握手会に移ったオモクロたちを見下ろしながら黒羽は水を向けた。

「勉強になりました」

「そうか……それはよかった」

 二人の会話は、あらかじめ決まっている。黒羽が、そう決めたのだ。黒羽は、クララの「勉強になりました」の言葉の響きや、表情から反応を観察して、オモクロがAKRの、いい当て馬になるかどうかを見たかったのだ。

 クララの言葉には熱がなかった。論外なんだろうなあ……黒羽は、クララの反応をそう受け止めて伝票を掴んだ。

「あ、今の『勉強になります』分かりました?」

「5段階評価で3ってとこだろ?」

「あ、さすがです。でも、どうしてですか、わたし、思い切りポーカーフェイスだったと思うんですけど?」

「4とか5だったらパフェを二つも食ってない」

「あ、それは、黒羽さんがいくら食べてもいいって(#'∀'#)」

「分かってるよ、クララは他の子たちの倍はカロリー使わせてるからな」

「カロリーだけじゃないですよ」

「ほう」

「あの子たち、今度はアキバでやるらしいです。そっちも見てきていいですか?」

「あ、それなら……」

「黒羽さんは別に来てください」

「え、つれないなあ」

「わたしが、どこからどんな風に見てるかも見ていただければ勉強になります」

「え、アキバの広場だろ、見つけられるかなあ」

「それぐらいのオーラ、ヒカリの黒羽ディレクターが見つけられなくてどうするんですか」

「あ、やられたなあ(^_^;)」

「じゃ、お先に」

「おう!」


 ズズズ―

 すっかり温くなったカフェオレを飲み干して苦笑する黒羽。


 そして、その苦笑いを、路上からしっかり見ていた男がいた。


 オモクロのプロディユーサーの上杉である。

 上杉は、最初から黒羽の存在には気がついていた。黒羽の向かいの子が大石クララであることも気がついて地下鉄に下りていくクララの姿もしっかり見届けた。


――やっぱり、黒羽には勝てないか――


 そう思って、視線を落としたところで気がついた。いや、オーラを感じてしまった。ヒカリプロの二人に負けないくらい醒めた目。醒めながらも、全身から――自分ならもっとすごいぞ――と不遜と思えるくらいに漲るオーラを。

 気がつくと、二人の少女に声をかけていた。

「ちょっといいかなあ……」

 むろん二人の反応は、駅前であしらったデコボコニイチャンたちへの反応とは違っていた。

 二人の少女は、その足でオモクロの所属事務所に向かった。

 あっけないほどの展開である。

 それもそのはず、この出会いと展開をコントロールしていたのは、通行人に化けた雅部利恵である。利恵は、久々に天使らしい良いことができた……そう無邪気に喜んでいる。

 利恵は、こうやって、ルリ子と美紀をアイドルにすることに成功した。むろん白魔法で、アイドルをやれるだけの素養は付けてある。ほんとうは、ルリ子のグループみんなをアイドルにしてやりたかったのだが、オチコボレ天使の利恵には二人が限界だった。


 かくして、ルリ子と美紀はオモクロのメンバーになった。
 
 オモクロは略称こそ変わらなかったが、正式名称は変わった。

 オモシロクローバーではない。


 想色クロ-バーである。


 オモシロ系の色は一掃され、清楚とビビットが同居したようなアイドルグループになった。
 むろんセンターは、奇跡のようにのし上がってきた吉良ルリ子である……。



☆彡 主な登場人物
  • マユ       人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
  • 里依紗      マユの同級生
  • 沙耶       マユの同級生
  • 知井子      マユの同級生
  • 指原 るり子   マユの同級生 意地悪なタカビー
  • 雅部 利恵    落ちこぼれ天使 
  • デーモン     マユの先生
  • ルシファー    魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
  • レミ       エルフの王女
  • ミファ      レミの次の依頼人  他に、ジョルジュ(友だち)  ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
  • アニマ      異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
  • 白雪姫
  • 赤ずきん
  • ドロシー
  • 西の魔女     ニッシー(ドロシーはニシさんと呼ぶ)  
  • その他のファンタジーキャラ   狼男 赤ずきん 弱虫ライオン トト かかし ブリキマン ミナカタ
  • 黒羽 英二    HIKARIプロのプロデューサー
  • 光 ミツル    ヒカリプロのフィクサー
  • 浅野 拓美    オーディションの受験生
  • 大石 クララ   オーディションの受験生
  • 服部 八重    オーディションの受験生
  • 矢藤 絵萌    オーディションの受験生
  • 上杉       オモクロのプロディューサー
  • 片岡先生     マユたちの英語の先生  


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巡(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記・142『修学旅行・一日目』

2024-11-13 09:49:18 | 小説
(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記
142『修学旅行・一日目』   




 毎朝、戻り橋を渡って昭和の宮之森に通っている。もう慣れっこになったけど、十秒ちょっとで五十年以上の時間を超えてしまうのはすごいことだ。

 京都駅で新幹線を下りて、二年生全員で改札に向かっているのは、ちょっとそれに似ている。

 乗ってきたのは0系で、テッチャンとかマニアが見たら大感激なんだろうけど、鉄道趣味じゃないわたしには普通の新幹線。ちゃんとホームドアもあるし、素っ気ないけど普通の新幹線ホーム。

 ところが階段を下りて跨道橋を中央改札に向かうと、あたりまえだけど昭和だよ。

 去年、万博で行った新大阪駅はあまり違和感は無かった。

 でも、京都駅は違う。

 ホームから駅ビルまでの跨道橋を渡る。床はコンクリ、壁と屋根は木造で鉄骨が剥き出しで、幅が宮之森の三倍ほどあるところを除けば同じコンセプト。

「あ、みんな、あれですよ、日本一長いプラットホーム!」

 ロコが窓の外を指さす。

「おお、果てしないねえ!」「うわあ!」「あれがぁ!」「すごいぃ!」

 富士山が雲に隠れて見えなかった反動なのか、みんな跨道橋の窓から見える日本一のプラットホームに感嘆の声を上げる。

「全長は558メートルもあって、列車が二編成並ぶことができるんです」

「「「「ホーー」」」」

「それで、あのホームは京の都を取り巻いた城壁の上にできてるんですよぉ」

「え?」「平安京に城壁?」

 たみ子と真知子が振り返る。歴史とか社会とかにかけては、この二人は姉妹みたいに反応する。

「ええ、文禄の駅で中国から来た使いに『なんだ、日本の都は羅城もないのか』って言われて、羅城っていうのは城壁のことなんですけど、それで、秀吉が一念発起して、都に羅城を作らせたんです『御土居』って言うんですけど、その名残です」

「へえ、昔のバレーに9人制があったぐらい不思議な話ねぇ」

「ええ、バレーって9人でやってたんですか!?」

「え、知らないの?」

「アハハ、スポーツの方は(^_^;)」

 佳奈子とロコは住んでる世界が違うんだけど、違っていても友だちでいられる。きっと、入学以来の付き合いだからだ。

『ちょっとぉ、あんたたちぃ!』

 花園先生が、いつになくおっかない声で注意する。

「いけない、みんな集合してる!」

 慌てて改札を出て集合場所へ。

 
 つつがなく点呼が終わると、とりあえずホテルに入ってお昼ご飯をいただいた。わたしたち前半組はホテルだったけど、後半組は少し離れた旅館。旅館組の方はバスの駐車場からけっこう歩かされたとか。

 お昼ご飯は、京都らしいものが食べられるかと思ったけど、ふつうのランチだった。


 昼からはバスを連ねて東山。


「あれですよ、石川五右衛門が『絶景かな絶景かなぁ~』ってやったのぉ」

 南禅寺の山門で、またもハイテンションのロコ。

「ええ、あれって創作じゃなかったんだ」

「いやあ、創作だと思いますけど、実在の南禅寺にしたところが観光誘致もかねていたというか、昔の歌舞伎もなかなかなんですよねえ」

「ええと、ごっつい煙管持ちながら言うんだよね、……世に盗人のネタはつきまじぃ。だったっけ?」

 う、佳奈子でも知ってるっぽい。つまり、わたしは知らん。

「石川やぁ、浜の真砂は尽きるともぉ~」

「世に盗人の種は尽きまじぃ~」

 アハハハハ(((´∀`)))

 歌舞伎風にやるので、他のクラスの子にも笑われる。

「ああ、これこれ、水路閣っていうんでしょぉ!?」

「え、お寺の中でしょ?」

 たみ子が指差したのは、レンガ造りのローマの水道橋みたいなの。

 苔むして時代がかっているんだけど、お寺にはちょっと似つかわしくはない。

「これは、明治になって、琵琶湖の水を京都市内に取り入れるために作られた水道橋なんですよ。雰囲気があるんで『ザ ガードマン』とか『忍者部隊月光』とか、映画やらテレビのロケでも使われるんですよ」

「そういや、タイガーズのレコードジャケットにもあったみたいな」

「エメロンシャンプーのCMでも使ってた!」

 うう、令和のJKはついていけん。


 こっそりスマホで『水路閣』を検索……なるほどぉ、令和の時代でもいろんな映画やアニメに使われている。大好きな京アニの『けいおん!』とかにも使われてるけど、さすがに言えない。

 でも、スクロールすると、さらにいろいろと……。


「ね、すごいでしょ!」

「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」」」」


 みんなに「もっといいところがあるよ!」と、水路閣の奥、水が送られてくる水路にみんなを案内。

 そこは、うっそうとした森の小道で、小道の中央をレンガ造りの水路が走っていて、なんだか、ドイツかイギリスの油絵の中の景色みたい。

 スマホには、逢坂山を抜けた京都疎水の分水と出ていて、インクラインという。船を市内の水路の高さまで引き上げるごっついレールや、日本最古の発電所とかがある。すごく雰囲気なんだけど、許された行動半径を超えるので行かなかった。

「すごいよ、グッチ、来たことあるの!?」

 みんなに感心されたけど、さすがに「まあね(^_^;)」としか言えない。

 どうやら、このコースは、この時代では、あまり紹介はされてないみたいだ。あまり見栄を張って墓穴を掘らないようにしないと。

 

 
☆彡 主な登場人物
  • 時司 巡(ときつかさ めぐり)   高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
  • 時司 応(こたえ)         巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
  • 滝川                志忠屋のマスター
  • ペコさん              志忠屋のバイト
  • 猫又たち              アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
  • 宮田 博子(ロコ)         2年3組 クラスメート
  • 辻本 たみ子            2年3組 副委員長
  • 高峰 秀夫             2年3組 委員長
  • 吉本 佳奈子            2年3組 保健委員 バレー部
  • 横田 真知子            2年3組 リベラル系女子
  • 加藤 高明(10円男)       留年してる同級生
  • 安倍晴天              陰陽師、安倍晴明の50代目
  • 藤田 勲              2年学年主任
  • 先生たち              花園先生:3組担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀  音楽:峰岸  世界史:吉村先生  教頭先生  倉田(生徒会顧問)  藤野先生(大浜高校)
  • 須之内直美             証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
  • 御神楽采女             結婚式場の巫女 正体は須世理姫 キタマの面倒を見ている
  • 早乙女のお婆ちゃん         三軒隣りのお婆ちゃん
  • 時司 徒 (いたる)         お祖母ちゃんの妹  
  • 妖・魔物              アキラ      
  • その他の生徒たち          滝沢(4組) 栗原(4組) 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長)
  • 灯台守の夫婦            平賀勲 平賀恵  二人とも直美の友人  
 
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