大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

巡(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記・146『修学旅行・三日目・1』

2024-11-17 15:35:24 | 小説
(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記
146『修学旅行・三日目・1』   




 興福寺は八角形の南円堂に「お伽話に出てきそうなフォルムねえ」とおもしろがり。五重塔を仰ぎ見て「よくぞお風呂屋さんの焚きつけにならなかったねえ」と運の強さを喜んであげる。

 あれからMJスマホで調べたら五重塔は国宝だし、興福寺そのものが1998年に世界文化遺産になってるよ(^_^;)。

 あ、MJスマホって魔法少女スマホで、昭和に来てても使えるんだ。

 
 ここで時間を食っては予定をこなせないんで、鹿せんべい買って、鹿との約束を果たしただけで東大寺へ。

 
「……やっぱり大きいねえ( ゚Д゚)」

「三回目ですよぉ(^_^;)」

 佳奈子が感嘆してロコが付け加える。

 仁王門の仁王、仁王門潜って大仏殿、そして中に入って大仏様を拝んで三回目の感嘆。ほかの四人も「へえ」とか「ほお」とか声を上げてるんだけどね。

「でも、この大仏って三代目なんだよね」

「はい、初代のは平重衡が、二代目は戦国時代に松永久秀が焼いてしまって、今のは江戸時代に作られた三代目です」

「じゃあ、鎌倉の大仏の方が年季が入ってるんだ」

 湘南地方の我々としては地元に近い鎌倉の大仏を贔屓にしたくなる。

「でもでも、足の一部とか蓮の葉のところは初代のままなんですよ」

 ロコが公正に指摘する。

「あ、柱の穴潜りだ!」

 佳奈子が声を上げて、大仏様の右ひざ方向に走る。

「子どもの頃に読んだ『弥次喜多道中』の書いてあったんだけど、ほんとにあるんだ!」

「ああ、弥二さんが引っかかって抜けなくなるってやつ!」

 面白そうなので、スカートの真知子以外の四人でやってみる。

 案内を読んでみると、鬼門封じのためとか厄除けのためとか説明があったけど、高校生はおもしろればOKなんだ(^▽^)/

 あらためて大仏様に手を合わせ、大仏殿を出てからロコがこっそり注釈。

「あのう、弥次喜多が潜ったのは京都の大仏なんですよね(^_^;)」

「「「「え?」」」」

「あ、まあ、おもしろかったし、いいんですけどね」

「京都に大仏あったの?」

「あ、落雷で焼けたみたいです。木造だったみたいです」

 道理で、年配の参拝客の人たちが笑っていたけど、考え過ぎなのかもしれない。


 来た道を少し戻って春日大社を目指す。

 
 少し登りの参道を人の流れにのって進む。参道脇には千年以上の歴史の中で献納された石灯籠がいっぱい並んでいて、その背後には今を盛りの紅葉が栄えてとっても雰囲気。学校のある宮之森の町自体が、奥宮と呼ばれる神社と宮之森城址があって紅葉が素晴らしいんだけど、やっぱり千年の都のはすごいよ。木々の背の高さが違うし、奥行きも深いしね。
 
 ちなみに、奈良の鹿は、この春日大社の神さまのお使いだということで大事にされているらしい。

 社殿は、どこか八坂神社に似ていて朱塗りの柱が女性的。

「すごいぃ」「雰囲気ぃ」「ほう……」「おお……」「いいねえ……」

 高校生らしく五文字にもならない感嘆の声をあげながらお参りを済ませて、石段を下りると雅な雅楽の音が聞こえて来た。

 

 
☆彡 主な登場人物
  • 時司 巡(ときつかさ めぐり)   高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
  • 時司 応(こたえ)         巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
  • 滝川                志忠屋のマスター
  • ペコさん              志忠屋のバイト
  • 猫又たち              アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
  • 宮田 博子(ロコ)         2年3組 クラスメート
  • 辻本 たみ子            2年3組 副委員長
  • 高峰 秀夫             2年3組 委員長
  • 吉本 佳奈子            2年3組 保健委員 バレー部
  • 横田 真知子            2年3組 リベラル系女子
  • 加藤 高明(10円男)       留年してる同級生
  • 安倍晴天              陰陽師、安倍晴明の50代目
  • 藤田 勲              2年学年主任
  • 先生たち              花園先生:3組担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀  音楽:峰岸  世界史:吉村先生  教頭先生  倉田(生徒会顧問)  藤野先生(大浜高校)
  • 須之内直美             証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
  • 御神楽采女             結婚式場の巫女 正体は須世理姫 キタマの面倒を見ている
  • 早乙女のお婆ちゃん         三軒隣りのお婆ちゃん
  • 時司 徒 (いたる)         お祖母ちゃんの妹  
  • 妖・魔物              アキラ      
  • その他の生徒たち          滝沢(4組) 栗原(4組) 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長)
  • 灯台守の夫婦            平賀勲 平賀恵  二人とも直美の友人  
 
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魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!64『マユはポチの姿で偵察したぜ』

2024-11-17 08:27:10 | 不思議の国のアリス
魔法少女なんかじゃねえぞ  これでも悪魔だ  悪魔だけどな(≧▢≦)!
64『マユはポチの姿で偵察したぜ』 




 マユは迷路みてえなダクトを伝ってスタッフの会議室を探したぜ。むろん、ワンコのポチの姿でな。

 帰り道のことは心配はねえ。ポチの嗅覚は人間の一億倍もあるからな、自分の匂いをたどっていけば、もとの出口にたどり着くことは簡単だ。

 オッサン特有の臭いがただよってきて、たどっていけばドンピシャ。HIKARIプロのえらいやつらが会議をしている部屋の排気口にたどり着いたぜ。


「……オモクロが、この週末の週間火曜曲で、新曲の発表をやります」


 オーディションのとき、えらそーに見えて、実は、それほどでもねえディレクターが話してやがる。

「どんな曲なんだ?」

 社長が目を細めた。とたんにデーモン先生みたく人相が悪くなりやがる。

「それが、分かりません」

「分からない?」

 みんなが、一見えらそーなディレクターに注目した。

「これまでは、宣伝を兼ねて意図的に情報を流していたんですが、今回は、見事に分かりません」

「オレは、少しは分かっている。作詞作曲は中山耕一だ」

 黒羽ディレクターがつぶやいた。やっぱり人の一歩先を行くやつだぜ。

「え、薬師丸陽子じゃないんですか!?」

 二番目にえらそーなディレクターがびっくりして、目を剥きやがる。

 その拍子にディレクターは、コンタクトレンズを落とし、話に参加できなくなったけど、見かけほどにはえらくねえので、会議が中断するほどじゃねえ。

「上杉のヤロー、勝負に出てきやがったなぁ……」

「たかが上杉、たいしたことはできませんよ」

 えらそーなディレクターが言った。

「オレも昔は『たかが光ミツル』って言われていたんだぜ……」

 ぜんぜんえらそーに見えねえ会長が立ち上がって、会議室の窓辺に沿って歩き始めた。会長が本気で考え事をしたときのクセみてえで、歩くとこには白線がひかれてやがる。

 え、なんで白線なんだ? 

 オッサン達の頭を覗いてみる。

 プ(`艸´)

 思わず噴いちまった。

 これは会長が光ミツルとしてデビューする前、フォークの国家主席と言われたころからの習慣なんだ。

 いつも駅のホームの白線ギリギリのところを歩いて考え事をするって変なクセなんだ。

 HIKARIプロができたころは、屋上のふちに白線を引いて歩いてやがった。それが、通行人に自殺者と間違われ、通報されて大騒ぎになった。それからは、会長室と会議室の窓ぎわに白線を引いて代用してやがる。へんなジジイだ。

 フニュ

 二往復目、さっきのディレクターのコンタクトレンズを踏んだ。ソフトなんで割れることはねえけど、靴底のわずかな違和感が、会長を決心させたぜ。

「この違和感は本物だ。今日一日で新曲作るぞ! で、オモクロと同じ日に発表! 十時までには作詞しとくから、振り付けの春まゆみ、作曲の大久保も呼んどけ!」

「じゃ、レッスンも、今日からですね!」

「むろんだ!」

 出て行きながら黒羽ディレクターに命じやがった。黒羽ディレクターは、全員に目配せ。それだけで、おのおのがやるべき事が分かる。

 う~~~~ん(-_-;)

 なかなか鍛え上げられたクリエィティブ集団だぜ。


「みんな、集まれ!」


 リハーサル室に行くと、黒羽ディレクターはメンバー全員を集めやがった。

「今日は、十時から新曲のレッスンに入る。今までとはやり方が違うからビックリしないように。それから、今日は遅くなるから、家には連絡入れとくこと。深夜タクシーで帰る覚悟しとけ!」

 はい!

 大石クララを筆頭にメンバー全員が熱気の籠もった返事をしやがった。会長の熱気が、HIKARIプロ全員に行き渡っていく。知井子なんか、なんだか自分の身長が、また伸びたような気がしたぐれえで、ピョンピョン跳ねてやがる。

 マユも、なんだかワクワクしてきてよ、人の姿になってクララたちが用意してくれてた制服を身に着け、オモクロのプロダクションを目指していったぜ……。


☆彡 主な登場人物
  • マユ       人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
  • 里依紗      マユの同級生
  • 沙耶       マユの同級生
  • 知井子      マユの同級生
  • 指原 るり子   マユの同級生 意地悪なタカビー
  • 雅部 利恵    落ちこぼれ天使 
  • デーモン     マユの先生
  • ルシファー    魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
  • レミ       エルフの王女
  • ミファ      レミの次の依頼人  他に、ジョルジュ(友だち)  ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
  • アニマ      異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
  • 白雪姫
  • 赤ずきん
  • ドロシー
  • 西の魔女     ニッシー(ドロシーはニシさんと呼ぶ)  
  • その他のファンタジーキャラ   狼男 赤ずきん 弱虫ライオン トト かかし ブリキマン ミナカタ
  • 黒羽 英二    HIKARIプロのプロデューサー
  • 光 ミツル    ヒカリプロのフィクサー
  • 浅野 拓美    オーディションの受験生
  • 大石 クララ   オーディションの受験生
  • 服部 八重    オーディションの受験生
  • 矢藤 絵萌    オーディションの受験生
  • 上杉       オモクロのプロディューサー
  • 片岡先生     マユたちの英語の先生  
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