「さ、オオクニヌシは引退させたわ。さっさと、中つ国を治めていらっしゃい!」
アマテラスは、改めて長男のアメノオシホミミに命じます。
「…………………」
「なによ、その沈黙は?」
「勘弁してよ……ぼくは、この高天原から出たくないよ……」
「んだと!?」
「こ、怖ええ」
「こ、ここまで来んのに、どれだけ人と時間を使ったのか! どれだけ、この母が気をもんだか! 分かってんのか! てめえええええええ!!! それでも、アマテラスの息子かあああああ!!!!」
「ヒ、なんか、叔父さんのスサノオみたいだよ(;'∀')」
「そのスサノオに勝ったのが、このあたしだよ! 母さんだよ! スサノオがやってきた時も、母さんはね、鎧兜に身を固めて、高天原の軍勢を引き連れて、体張って守ったのよ!」
「で、でも、結局は、叔父さんにメチャクチャにされたじゃん!」
「身内だからよ! あんただって、最初に『中つ国に行け』って言って断ったときは認めてやったでしょーが! あたしはね、基本、優しい女なの! 太陽神で、母性の象徴で、豊穣の女神で、何事も、平和的にやっていこーというのが、コンセプトなの! だけど、だっけど……仏の顔も三度だぞおおお!」
「魔、ママは神さまだ」
「いま、魔って打ったな?」
「へ、変換ミス」
「心の底で思ってるから出るんでしょーが! オシホミミ、憶えてるぅ? スサノオが高天原を追い出された時のこと……」
「え、ええと……(;゚Д゚)」
「髭と髪をむしって、シバキ倒して、爪を剥いで……」
「ヒイイイイイイイ」
「いま。思うと、あそこもちょん切ってやればよかった。そうすれば、オオクニヌシなんてのも生まれてこなかったんだし」
「アヒャヒャヒャ(;゚Д゚)……」
「おまえは、どうしてやろうかねえ……」
アマテラスの目が座ってきます。
「あ、あの……ぼくには、子どもがいるんです!」
「な、なんだって……( ゚Д゚)」
「タカムスヒの神の娘のヨロヅハタトヨアキツシヒメとの間の子でアメニギシクニニギシアマツヒコヒコホノニニギノミコトって可愛い男の子なんです( #´∀`# )」
「アメニギ……?」
「アメニギシクニニギシアマツヒコヒコホノニニギノミコトです(^▽^)/!」
「ジュゲムか」
「アメニギシクニニギシアマツヒコヒコホノニニギノミコト!」
「ニニギにしとけ!」
「ハ、ハヒ……ね、だから、お母さん、いえ、ニニギのお祖母ちゃん(^_^;)」
「お祖母ちゃん、言うな!」
「ハ、ハヒ……だから、ね、ニニギはまだ小さいし、カミさんも仕事しながら子育てしたいって言うし……」
「……………」
「か、母さん……?」
「分かったわ」
「わ、分かってくれた!? ああ、やっぱ、持つべきものは母さんだ(#*∇*#)!」
「中つ国には、そのニニギノミコトを送ることにする!」
「そ、そんな……」
「問答無用! これは決定事項です!」