縁側の日
月に一度
中道和久さんをお招きして開いています。
認知症に関心のある人、
どなたでもどうぞ!
●9月2日(木)より
8月はお休みで、
2ヶ月ぶりの縁側の日でした。
この日は、素敵なお客様もありました。
「ふたたびのゆりかご」(発行:講談社)の著者・多賀洋子さんが来て下さったのです。
多賀さんにお会いしたくて参加された方もあれば、
何も知らずに参加された方もあり、
15人もの参加がありました。
なにせ、いつもライブの縁側の日です。
多賀さんが、ゲストなのか、一参加者なのかも
中道さんからお聞きしておりませんでしたが、
流れ的に、
まずは多賀さんのお話を聞かせていただくことになりました。
●デイサービスに行けるまでに4年!
多賀さんご夫妻は、
田舎でゆっくりと老後を過ごそうと胸を膨らませて
京都から引っ越してこられました。
ところが、
その頃から、ご主人の様子に異常が起こってきたそうです。
おかしいなと思いながら、
「認知症」という診断を受けデイサービスを利用できるようになるまで、
ほぼ4年。
そんなにも長い間!
と驚きましたが、よくあることかもしれません。
それまでの戸惑いと苦悩から安らぎへの道のりを
順序だてて、わかりやすくお話しくださいました。
本から受ける多賀さんの印象より、
実際にお会いした多賀さんの方がずっと穏やかで易しい語り口調でした。
こんなに穏やかな方でも
ご主人の「認知症」という事態を受け止め、
そのご主人とつきあうのは、大変なことなんだ・・・。
それは、当然のことなのですが、
私は、あらためて「認知症」の重さを想いました。
いくら一山超えて、笑い合えるようになっっているとは言え、
ご主人の症状は、
本を書いた頃からも進行しておられるのです。
楽しく生きる知恵を出す営みを試行錯誤していらっしゃる点では、
私たちと何ら変わりはないでしょう。
多賀さんが、いろいろな本を読まれたりして得た認知症の人と付き合うためのポイントをいくつか紹介してくださいました。
その中で皆さんの話題になったことから一つご紹介いたします。
●命に関わらないことは放っておく。
私も母と一緒におりますと、
理由はわからないが、「どうしてもダメ」ということが出てきます。
私の母の場合ですと、お風呂に入りたがりません。
母に限らず、認知症の人にありがちなことなのだそうです。
とにかく理由は、わからないのです。
私は、毎日毎日何とかお風呂に入るように、
あの手この手で誘いましたが、全くダメでした。
「お風呂に入るといいよ」と説得しても、全くダメ。
それで、私は疲れ果てて
「母をお風呂に入れさせる」ということは、あきらめたのです。
「お風呂に入らなくてもいいや。死ぬわけじゃないし」
そう思えるようになったんですね。
それからというもの、
私は楽になり、
母は穏やかになりました。
そして、デイサービスに行くようになり、
デイサービスではお風呂に入るようになりました。
かなりヘルパーさん泣かせですが・・・。
家では、よほどタイミングが合うと入ります。
それくらいだと、私も疲れるようなことはありません。
「命に関わらないことは放っておく」。
やりたいようにやりたいだけすれば、
次の行動へと移りますから、大丈夫です。
これを心得ておけば、
もっと楽になるご家族がたくさんあるのではないでしょうか。
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