頑固爺の言いたい放題

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韓国の異様性 その(3) 選挙での反日

2020-09-23 21:34:52 | メモ帳

今年4月に行われた韓国の総選挙で、野党が圧勝した。しかも、野党の大物たちが枕を並べて落選し、かりに政権を奪取しても、内閣を編成できないような惨状である。

与党の勝利の理由について、日本のマスコミは文政権のコロナ対策が評価されたと報じた。ところが、「<反日>異常事態」(シンシアリー著、扶桑社新書)によれば、与党の勝因はコロナばかりではなかったらしい。以下、同書に書かれている韓国メディアの発言(赤字)と。これに対するリー氏の所感を要約する(青字)。

韓国はコロナ対応で成功した。それに引き換え日本はどうだ? 日本は劣っている。もう日本を悪く言う必要もない。ただ劣っている国だと見下げて、笑ってやればいい。

この理屈が、韓国人にかつてない興奮と満足を与えた。3-4月ごろの韓国の新聞記事は、韓国の防疫がどれだけ素晴らしいかという流れと、日本がどれだけダメかと見下す流れの二つしかなかった。

その興奮がそのまま総選挙に持ち込まれた。総選挙が「韓日戦」、「投票で親日清算」の舞台になった。その結果、「併合時代のお蔭で朝鮮は近代化できた」とか、「韓日関係の悪化の原因は韓国にもある」と言うような人は国会議員になるべきではない、という流れができた。 

右派(野党)も反日なのだが、その中で比較的反日色が弱い人が攻撃の対象になった。例えば、黄教安氏は2015年に国務総理だった時に、「朝鮮半島が危機的状況になって、米国が日本の自衛隊の派遣を要請するなら、拒否することができるか」という質問に対し、黄氏は「協議して、必要性が認められれば、入国を許可する。ただし、政府の事前同意がなければ入国を許さない」と答えた。

下線部分の発言が今回の総選挙で、与党が黄氏を“親日的だ”とする根拠になった。まさに言いがかりである。こうした「親日政治家落選運動」の結果、野党の大物議員6人が落選した。

冒頭に述べたように、“韓国の総選挙は、文政権のコロナ対策がうまくいったために、与党が大勝した“と日本では報じられたが(少なくとも、爺はそう思っていた)、そればかりではなく、反日が絡んでいたのである。

コロナ対応で日本に勝ったという高揚感が、親日でもない野党政治家を無理矢理、親日に仕立て上げ、落選させたのである。

その後、文政権に都合が悪い事案が続出し、不支持率が支持率を上回るようになったが、落選した政治家にとっては、時すでに遅し、である。

野党の落選した大物たちは、親日でもないのに親日(=悪人)呼ばわりされて、さぞ悔しかったことだろう。もし、選挙の時期が7月だったら、野党は文政権を攻撃する材料はいくらでもあったのだから、野党はついていなかった・・・などと同情することもない。

要するに、目糞が鼻糞を嗤う次元が低い闘いだったのである。