つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

朝顔三題!

2020年08月14日 | 絵葉書
何度でも、残暑お見舞い申し上げます。

名古屋も猛暑続きの毎日です。
お墓参りにお寺に伺うだけで、もう汗びっしょり💦命がけ💦

こんな時にきちんとお墓参りに出かける私達って偉い!と内心思っておりますと、
皆さん、このお暑さの中、きちんといらしているのですね。。
爽やかに「こんにちは〜」などと言い合いながらのお墓参り、、
日本人ってやはり立派だなぁとつくづく感じます。

さて、お客様より絵葉書を頂戴いたしました。
沢山の絵葉書をお集めのお客様。
今回は「朝顔三題」とタイトルをつけさせていただきました!

ご覧になりにくいかもしれませんが、松尾敏男、安田靫彦、杉山寧の朝顔。
どれがどの画家の作品か?お分かりになられますでしょうか?






1番上、緑のバッグが松尾敏男
その真下が杉山寧
その隣、地面に広がって描かれているのが安田靫彦です。

参考に図録も出してみました。1番下は小林古径の作品です。

同じ日本画ながら、朝顔の美しさをどこに感じるか?で、作品のイメージが随分と
違ってくるのだと思います。

「お好み」を1番にお選びいただくのが大切かと存じますが、、


皆様が「朝顔」らしいとお感じになられるのは、やはり杉山かな?と思います。
構図にも色にも隙がありません。





朝顔を描くには「線を引く力」が1番大切だと思いますが、杉山のこの線の技術に
申し分はありません。






「牡丹の松尾」の「朝顔」は鈍い緑色をバッグに使って、全体に鈍く描かれている印象を与えます。
朝顔の描写はやはり「線」の勝負になりますので、それを上手く避けているようにも見えますね。
牡丹なら目を瞑っても描けてしまうだろうこの画家の朝顔には、何か初々しさも感じられ、額に収めた時、
案外華やかになって良いのかもしれないと思えます。





靫彦の朝顔は、本当に綺麗ですね。
とりどりの色のお花が咲いています。
夏の植物の葉のこんもりとした様子、伸びようとする蔓の描写、意図的に隙を作り
朝顔の持つ、やさしさ、素直さ、明るさを上品に描いています。

何を描こうとしたのか?が随分と違い、この三枚の朝顔と古径のこの図録の朝顔を比べるのは
少し無理があるようにも感じますが、、無理やり比べてみますと。。

隣に描かれた「からすうり」と同じように、「蔓」を描かせたらやはり古径は1番!だと思えます。


杉山も靫彦も勿論「蔓」を大変巧みに描いています。そして、それぞれ「杉山の線」「靫彦の線」に「揺るぎ」など
全くありませんが、、、

それは全て画家自身の身の内、内部に伸びている「蔓」であるように私には感じられてしまいます。

古径の描く蔓は、何の支えなく、頼りなく、けれど必ず自身を脱して、太陽に向かい成長を続ける。

「朝顔の命の再現」そういった感動を与えてくれるのです。

その絵を見て「誰々の作品」「誰々の線、色」とわかる事。
画家にとって長い画業を通して獲得していく時、1番大切なことはそこにあると思いますが
まだその先に、無私の世界があるように古径の作品はいつも感じさせてくれるのですね。


ここにはご覧にいれませんでしが、土牛の朝顔もまたその境地が感じられ、私は好きです。
土牛の朝顔には「夏」があります。

日本人が、お墓参りに行くことも、お料理をすることも、お掃除をすることも、勿論お仕事をすることも、
実はこの境地を味わう為だろうと私はこの頃つくづくと感じます。そして、そうした暮らしの繰り返しの中で
どんどんと「絵が見えてくる」という実感を深めています。










小杉放庵のお軸にお納めのお約束を頂戴いたしました。
まことにありがとう存じます。












コメント (2)
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御便り

2018年04月06日 | 絵葉書



四月はこちらの絵葉書で、皆様にお便りさせて頂こうと思っています。

書き損じや、インクで汚してしまうことの多い私ですので、

急遽書きかえたり致しますが、出来るだけ季節を感じる葉書を選んでいます。

季節を意識すると、どうしても日本画の絵葉書ばかりになってしまいますね。

次回は油絵でそろえてみましょう。

 

 

 

 

 

 

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絵葉書

2017年05月23日 | 絵葉書

久しぶりに、、、本当に何年ぶりでしょう?絵葉書の整理を致しました。

美術館にお邪魔する度に、必ずショップに寄らせて頂いて買い物をしてしまう私。

絵葉書は多分300枚以上持っていると思います。

せっせとお便りを書かせていただかなくては!

5月はこんなお葉書を選ばせていただきます。

 

お客様のお手元にも突然お葉書をお届けしてしまうかもしれませんが

「あぁ、佐橋さんの消化活動ね」とご理解いただいてお返事のご心配など

なくお受け取りいただけますと大変ありがたく助かります。

ただ、画廊からのお葉書到着となりますと

「絵画収集内緒活動」にご迷惑がかかる場合もあるかと存じますので

お送りする先をよく考えさせていただきます。

 

今日も暑くなりそうです。どうぞお気をつけてお過ごしくださいますように。

 

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お葉書

2015年08月17日 | 絵葉書

以前当店に初めてお立ち寄りくださった神奈川県のお客様からお葉書を頂きました。

当店がお納めした絵をピアノのわきに飾り、毎日ピアノの練習に励んでいらっしゃるとのこと。

何より嬉しいお便りでした。ありがとうございます。

 

絵葉書は神奈川県立近代美術館蔵 松本俊介のY市の橋。

とてもよい絵です。こんな素描をもっていたら、毎日楽しいでしょうねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

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お便り

2015年05月23日 | 絵葉書

お嬢様の留学先に滞在されたお客様からお土産を頂きました。

私のために選んでくださったもの。

一度も行ったことのないフランスから私の手元にやって来てくれたもの。

ブルーがとても綺麗で気に入っていますありがとうございます。

今日はこんなおたよりも頂きました。展覧会が終わった翌日、私が店を留守にしたときに

お立ち寄りくださったお客様からのハガキです。

(李朝 青花 窓絵草花文 面取壺 東洋陶磁美術館)

眼にご病気があり美術品をはっきりと視覚で捉えることが難しいとお聞きしていますが、

いつも作品の本質をズバリおっしゃってくださるので私はこの方をとても尊敬しています。

知識とか財力とか、そして視力さえ・・

絵を見るということにおいて何の条件も必要がないということをこの頃深く考えさせられます。

以下お便りより

「小満の午後お邪魔いたしました。

お目にかかれなかったのは残念でしたが、ゆっくり拝見いたしました。

ゆき彦(安田)さんの気品がすばらしかったです。

お庭のシナノキも爽やかでした。ありがとうございました」

 

すべてに満ち満ちて小満のころを過ごしてまいります。

皆さまどうぞよい週末をお過ごしくださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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