先週も多くの皆様にご来店いただき、誠にありがとうございました。
自粛がとけ、早速ご遠方からお出かけくださるお客様もいらしてくださいました。
ご来店の皆さまといろいろなお話をさせていただくこと、また私たちの好きな作品をご一緒にご覧いただけることに今まで以上に感謝の気持ちが深まるのも、やはりこの感染問題の為? いえ、おかげさまのことだと思っています。
最近、当店の立て看板を入り口の中に閉まったままにしておりますが、やはり桜の季節、ふと扉を開けてギャラリーの中に入ってこられる方達がいらっしゃいます。
ご予約をいただきたい旨、立て看板に書いてはおりますが、ふと入ってこられた方々には、せっかくですのでギャラリーの展示をご覧いただくようにしています。
先日、佐橋が奥の図書室、私が入り口近くの事務室におりますと、お一人男性の方が店に入ってこられました。
まず私が事務室の扉をあけ出ていくと「これ売ってるの?」とまずお聞きになるので「はい」と返事。
私たちよりご年配の方でしたが、まず驚いたのは、とてもお酒臭い😭!!
そのうちに、ギャラリーの中の椅子に腰掛けられたので、私からは何も言わず立っていると、「へぇ〜200万もするの?、俺はお金を持っていないわけではないよぉ」というお話。奥から何か異変に気付いたのか佐橋がギャラリーに出てきました。
私は佐橋の仕草に気づかなかったのですが、その男性が佐橋に向かって「おい、あんちゃん、今何やった?」と急に大きな声を出されました。「今、このねえさんに、あっちに行ってろ!って手で合図しただろう?俺が嫌なやつだから、あっちの部屋に入っていろ!って合図したよなぁ」と言い出されました。
私は、困ったなぁと思いましたが、案外落ち着いていて、「この人は私の主人なんですよ。夫婦で一緒に店をやっているんです。」と紹介をすると
急に態度を変えて、「それはそれは旦那さんでしたか、知らなかったもんで、すみません」とやっぱりかなり酔っ払っているのが明々白々になりました💦
そのあとは、主人に話しかけたり、私に話しかけたり、「刑務所に12年いたとか、小指がほら?ないでしょ」とか色々ご自分のことをご紹介くださいました😅
「肝硬変なんだ、兄弟もいなくなったし、寂しくて、わかっているんだよ、酒飲んだらいけないって、でも飲んじゃうんだよ。
人間は悲しいよ」
不思議に何だか、山口薫とか長谷川利行と一緒にいる気持ちになってきました🍶
が、かといってこのままでは、店中がお酒臭くなるので、、
「すみません、私たち、これからまだ仕事があるものですから、お帰りいただけますか?今度またお酒を飲まれていない時にいらしてください」とお願いすると
「悪かったねぇ。邪魔したねぇ。多分、もう来ないよ、恥ずかしくてこられないやぁ」とふらふらと帰っていかれました。
帰られてみると笑い話。。
後から、佐橋に「私に部屋に入っていろってさっき本当に合図したの?」と聞くと、
「ちょっとだけ、手で合図したよ」
「全然わからなかったわぁ、よくあんなに酔っ払っていて、あの人わかったねぇ」と言うと
「そこがあの人たちの特技というか、生きる道なのよ。感じる力は強くって、言いがかりをつけるタイミングをいつも探してる」と教えてくれました。
なるほどなるほど。。。さすが、画商さん!絵を買っていただける方は皆お客様!色々な方々と接してきたことがよくわかる一言でした。
それ以来、やはりこの方はいらしていません。
そしてお酒臭い感じと「人は悲しいよ」という言葉が妙に鼻と耳に残っています。
一度耳鼻科医のY先生に診ていただかないといけないかな?と思うほどです(笑)
私は下町の育ちで小さい時から銭湯などでこうした刺青系のおじさん達と接してきましたし、今回は佐橋が居てくれましたので落ち着いて「お帰りください」と言えましたが、もし1人の店番だったら少し状況が変わっていたかな?と思えます。
何かあったらとにかく店を飛び出しなさいと佐橋には言ってもらっていますが、若い時と違って逃げ足が遅くなってきたことにも一抹の不安があります。
という理由もあり、
各お客様には大変申し訳ございませんが、自粛が解けましても、やはりこの感染問題がすっかり落ち着くまでは、今までのようにご来店にご予約を賜れば幸いに存じます。ご来店くださる直前でも構いません。どうぞよろしくお願い致します🙇♀️