つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

大晦日へ

2024年12月30日 | 佐橋美術店の展示・展覧会
年末、年始のギャラリーには山口薫作品のほかに岩橋英遠のお軸、竹内栖鳳のお軸を飾らせていただきました。




外から当店の小窓を覗いてくださる方たちに少しお正月らしさを感じていただけるかと思いました。






どんな山口薫作品も決して日本画を拒んだりしませんので、安心して近くにお軸を飾らせていただいていますが、「浮き上がるマリモ」や「たわわの柿」は特に作品自体が日本画に近く感じられ、観るたびにその奥行きの深さに驚かされます。




季節を終え、枝葉を落とした柿の木にたわわに残った柿の実のイメージはこのようなものでしょうか。



結局、これらの作品のテーマは「いのち」ということだろうと感じ、山口薫の作品を愛するということはどこまで「いのち」を純粋に愛せるか。信じられるか?ということのように思えてきました。

まもなく、いよいよ大晦日の一日。

明日には今年のアッパレ!お買い物賞について書かせていただき、本当の意味で私の仕事納めにさせていただこうと思っています。




竹内栖鳳  紙本・彩色  軸 「村居」
 26.1 ×23.1センチ  共箱  東京美術倶楽部鑑定書有
軸装全体の大きさ 120×36㎝  軸先 41㎝  ◇ 




岩橋英遠 軸 「晨明」 絹本・彩色  68×51㎝ 共箱 ☆

表装を手掛けられたのは、愛知県居松清唱堂さんです。いまはもうありませんが、弥栄画廊さんのご実家でいらっしゃいます。おそらく昭和30年代後半の仕事だろうと先日お立ち寄りくださった際にお教えくださいました。

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2024年師走小晦日

2024年12月30日 | 佐橋美術店の展示・展覧会
店に大事な忘れものをして、この寒空にバスと地下鉄に乗ってそれを取りに行くか?迷ってしまっている師走小晦日です。

仕事というのは不思議なもので、常にそこから開放されたいと願いながら、個人的にはなぜかそこに居ないと不安、そして不安ばかりなくそこにいるとほかの事から解放され満たされる何かがあるものだと思います。


仕事は都合の良い言い訳にもなるということですね。

けれど、そうして「出会った仕事を天職だと思え」と京セラの稲盛氏が過去に言われたように、こうして家にいて固くなりそうなのし餅を一人切りながら、そしてなんとも不揃いな大きさのお餅を見て、「雅彦さんは定規を当ててお餅を切ってくれていたなぁ~」と思いながら、頭の大部分をブログの事や店の忘れ物の事に占めることができているのは幸せなことかもしれないと感じています。

さて、一応の仕事納めをおえたときの佐橋美術店の店内を少しご紹介させていただこうと思います。

今年最後の「今週の佐橋美術店」です。







喪はあけても、どうしても心が重たく、やはりショーウィンドウの飾りも少し地味目になりました。それでも、がんばって高いところに注連縄を飾らせていただけた自分に💯100点をつけました。




久しぶりに、といいますか、この時!とばかりに冨田渓仙のパネル仕立ての「寒牡丹図」の下に楠部弥一の置物「瑞巳」を置かせていただきました。
宝袋の上にちょこんと蛇がのっています。蛇は良く家や財産の守り神として祀られますね。









いたるところにお正月らしさを。。と思いながら、便せんを切り取ってかざってみたり、案外工作の時間のようなことをしています。



すみません、家のことも限りのある時間内にしなくてはいけないので、つづきはまた午後にでも書かせていただきますね。私自身も楽しみに、少しづつ更新させていただきます。



冨田渓仙 「寒牡丹図」 絹本 共箱 パネル仕立て 125.5×34.3㎝ 
◇ ~30万円


楠部弥一 「瑞巳」 共箱 H7.5×w20.5㎝ 150,000 100,000




















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今週の〜わたし

2024年12月03日 | 佐橋美術店の展示・展覧会
ブログを更新できない間もいつもの通り、たくさんの皆さんにここにお立ち寄りいただいているようです。

と言いますか、ブログを書いて10年以上経ちますと、ネット上の色々なところに小さな足跡のようなものが残り、手拭いとか高村光太郎の本とかそういうワードの検索でこのブログを覗いてくださる方が増えるということが必然として起こるのですね。

ただ、その大勢の皆さんのなかに時々数人の方が毎日のようにここにアクセスしてくださるようになっているのも事実で、とても嬉しく思い、私はそれを頼りに、特にコロナ感染問題以降の色々な日々を過ごさせていただいています。


山口薫展を終えた今週は、まず店内の作品のかけ替えを半日がかりで済ませ、会期中にできなかった会社としての提出物の作成やぐちゃぐちゃに散らかった事務所の整理などをして過ごしています。

例えば、お軸作品の軸先に使われている象牙について、国際取引法の観点から1年間の増減について、つまりお軸作品の増減について
経済産業省や環境省が設置する機関に届出をしなくてはいけないとか〜今まで佐橋に任せていた仕事も自分でしなくてはいけなくなりました。佐橋は資料的なものを整理して残すタイプではないので、訳もわからず昨年の届出を放っておくと、さすがに国の機関ですね、期限を大分過ぎた頃に提出催促の連絡が入りました。

その催促にも税金が使われているのかと思ったので、今年は何とか期限内に済ませようと思っていたのですが💦やっぱりギリギリになってしまいました。


とブログ更新ができなかった言い訳をしましたが、おかげさまで元気にしておりますので、掛け替え後の店内の様子を少しご覧いただきますね。






先日の富岡鉄斎展に感動した際、ふと「山口薫作品と冨田渓仙の作品を並べてみるとどうかな?」と考えました。案外似合うのではないかと。。

ですから山口薫展の後は、ぜひそれを実行してみようと思っていました。








皆様はどうお感じなられるでしょうか?

私としてはバッチリ!!だったのです。

山口薫は間違いなく渓仙のレベルまで到達しているし、渓仙の滑稽は薫の涙だと感じられます。

そして、その「優しさ」の共通点はお互いを刺激して、一つの愛の空間を作り上げてくれているようです。

大袈裟かしら?

それにしても?ということは?やはり冨岡渓仙の作品は大変お値打ちということになります。

この価格差は、洋画と日本画の違い、軸と額の違いだけの問題ではなく、この100年余りの「人の感度」の違いによって生まれているような気がします。






少しづつ店内をクリスマスモード、年末モードに切り替えています。

またご紹介いたしますね。

よろしければ、いつでもどうぞお遊びにいらしてください。




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今週の佐橋美術店 2

2024年09月11日 | 佐橋美術店の展示・展覧会















先週までの織田の2点を下ろして、新しく3点を飾らせていただきました。

織田の自由さは、なんだかとても救いになります。

本当の意味で織田作品の良さがわかってきたように思います。











せめても一点でもお軸を!と思い、小杉放庵の小品を出しました。
ここなら、直接冷房の風を浴びることはありません。

「奥昇仙峡」は佐橋の大好きだった作品です。
どこかの谷間で、この放庵のように帽子を被り、佐橋が座っているような気もします。いや、寝っ転がっていそうですねぇ。







舟越保武のローラさんは、いつの間にか当店の看板娘さんになりました。
いつもとても美人さんですけれど、毎回お顔つきが変わります。今日はとても目尻が下がって優しそうに見えました。


ブロンズという金属を前に、人は全く無抵抗であるようでいながら、こうして長く毎日毎日一緒に暮らしていると、体温というか温かみを感じる存在になってくるのが不思議です。

1歳半の孫のきいのは、はじめはこのローラさんのお顔をこわごわ触っていましたが、今は躊躇なく、それでもゆっくり丁寧にローラさんのお鼻の線を指でたどります。鼻筋の美しさが舟越の作品の美しさなのだと気づかされます。
私はきいのを抱っこしてその様子を見守りながら、「きいのがローラさんのような綺麗な女性になりますように」と心の中で祈ります。



◇ ~30万円  
☆ ~50万円 
☆彡 ~100万円  
☐ ~200万円  
⨝ ~300万円
⁜ ~500万円 
⫸500万以上  
⏺️ 要お問い合わせ


織田廣喜 
3号 「競馬」 ◇  






織田廣喜
3号 「婦人像」 ◇



織田廣喜
SM 「婦人像」 ◇




小杉放庵 軸 「奥昇仙峡」 紙本・墨 共箱  32×27㎝ ◇





舟越保武 ブロンズ LOLA’74  H39㎝ 1974年製 
     台座付 図録掲載 ▢





つづく
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今週の佐橋美術店 1

2024年09月11日 | 佐橋美術店の展示・展覧会
予定では今週あたりからお軸を沢山飾らせていただこうと思っていたのですが、なんといっても残暑厳しく、冷房の風が直接当たってしまうので、仕方なく額の作品を多く出しました。

いよいよ佐橋と集めた作品も少なくなってきたと思っていましたが、私の考えは甘く、まだまだ色々あり〜とりあえず順番に飾らせていただてみようと思っています。





ショーウィンドウには先日ご紹介させていただきました堂本印象の秋色を飾りました。

やはりこの場所の作品を替えると、前をお通りの方達の反応も変わります。私より少し年長の方々が立ち止まってくださっているように思います。







小窓の上は森芳雄のりんご🍎を2題。

その裏側、つまりギャラリー内の小窓の上にも森芳雄の小品を飾りました。




 

森芳雄展は、真夏に開かせていただきましたが、秋から冬にかけての方がよりどっしりと魅力的に感じられたかな?と9月に入って感じています。





 




エントランスには香月泰男の「トレド」を飾りました。

森芳雄の大作と響き合って思っていたより良い感じです。





佐藤忠良 ブロンズ 腕を組む裸婦 ☆彡



香月康男 8M キャンバス・油彩 「トレド」 香月鑑定会 ▢




◇ ~30万円  
☆ ~50万円 
☆彡 ~100万円  
☐ ~200万円  

つづく

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