つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

山口薫

2025年02月28日 | 佐橋美術店よりのお知らせ
先日、福井展にお立ち寄りくださったお客様に「やっぱり山口薫のあの作品が気になるのでもう一度見せていただけますか?」とおっしゃっていただきました。

山口薫作品は一部の作品を除いて弥栄画廊さんにお返ししておりますので、早速連絡をさせていただきこのガッシュの作品を翌日には届けていただくことができました。

私の大好きな作品、「いのり」





箱から出し作品を2ヶ月ぶりに見てみると、やはり良いなぁ〜と思えました。

ご依頼くださいましたお客様もまもなくご来店くださり、とてもお気に召してくださって、早速昨日納品をさせて頂くことができました。





数年前に当店から山口薫の名前もご存知ないまま、この「顔」という作品をお求めくださったお客様ですので、薫自身というより薫の作品についてのご理解は十分深くていらっしゃると思います。

この作品と日々お暮しくださってからの「いのり」という作品のチョイスも、
女性のお客様らしい素敵なコレクションだと感じます。



福井の雪景色の中においても、違和感なく薫らしい表情をそっと見せてくれました。



「やはりあの作品が気になる」
特に美術品との出会いの場合、それは他のお買い物時より多く感じることではないかと思っています。

幸い、弥栄画廊さんと当店はとても近い位置にありますので、今まで展覧会でご覧くださった作品を再びご覧頂く事は簡単にできますし、直接弥栄画廊さんにお問い合わせをいただいてもよいと存じます。


何年も経ってしまっていなければ、展覧会時のプライスカードを基準に2店ともに価格をご提案申し上げます。





丁度弥栄画廊さんもホームページを更新中でいらっしゃいます。

よろしければ、ぜひそちらもご覧くださいませ。







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懐かしい!

2025年02月26日 | 佐橋美術店の展示・展覧会
以前にもご紹介させていただいたかもしれませんが、昨日佐橋美術店の最初の店舗の画像がパソコンにふと現れてとても懐かしく感じられました。

2002年春の開店





古いビルの一階に借りた小さな小さな店舗でした。

床の間代わりに家具屋さんで一枚板のテレビボードのような「置き床」を求めて彫刻やお茶碗、お花など下の画像のように飾らせていただきました。



五年ほどでビルをマンションに立て直すという事で立ち退きにあい、2007年移転。



二店舗目のオープン当初の画像です。
立ち退きにはトラブルもあって、お世話になった弁護士さんに「立ち退きにあったら少し無理をしてでも店舗を大きくした方が良い」とおっしゃっていただきました。
この時佐橋美術店のいまの看板も作らせてせていただきました。

当時、草間の版画を沢山扱わせていただきました。まだまだお安いころでした。今、在庫に残っていたら~とよく考えます。


















店の前の小学校の桜が毎春綺麗に咲いて心和みました。
この2店舗目の開店まもなく、佐橋の最初の病気が発症し100日間入院をすることになりました。そして最初の移転から7年後、2014年こちらのビルもマンションに変わり移転を余儀なくされました。



2014年11月現在の店をオープンしました。
森芳雄、脇田和など懐かしい作品が見えます。






この東区泉に移転して11月に丁度10年の節目を迎えさせていただき山口薫展を開かせていただきました。
そして、私一人になってしまいましたが、この3月に佐橋美術店は開店23年周年を迎えさせていただくことになります。





最初の店舗に使った置き床は板とボードにわけて、店のカウンター、洗面所の飾り棚に使わせていただいています。


2件目にそろえた応接室のソファーもいまもここにあります。


独立したての1件目の小さな店からお通いくださっているお客様、弥栄画廊さんの皆さまもこの店に順にお顔をお見せくださっていました。

2件目の店からお通いくださっているお客様、そしてこの店に移転してからお通いくださるお客様。

画像を見ながら途中思わず涙が出てしまいましたが、やはり今、私は独りでこの店に居させていただいているのではないと今日あらためて感じさせていただきました。

今週いっぱい福井の作品をご覧いただき、桜の咲くころまでの間は色々なことを思い出しながら、少し当店の作品を店に飾らせていただこうと思っています。

よろしければ、折をみてどうぞお立ち寄りくださいませ。





コメント (4)
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結局宣伝です✨

2025年02月24日 | 日記・エッセイ・コラム
昨日お散歩ついでに立ち寄った本屋さんの棚に息子の本を見つけました。

嬉しさというより、とても不思議な感じがしました。

2冊目の本。




そしてつい最近、3冊目が出版されました。

研究本なので皆さまにご心配いただくことは全くございませんが、息子がお子さん達に注ぐ視線は、私達が美術品を通して感じる物故作家や現代のコレクターさまへの共感に繋がるものだと思えました。職種を超えて通じるものが仕事には確かにありますね。そんな事、本人の前で言うと何を言われるかわからないので密かに感じて喜ばなくてはいけないのですが〜本当に親ってなんとなーく辛いものです。


時間は過ぎていくもの。

1冊目の出版を喜び、大事そうに息子の本を開いていた佐橋の姿を思い出します。


家族それぞれが静かに「今」に納得し、ささやかな希望を持って沢山の皆様の中に溶けて生きていけるよう、きっと遠くから見守ってくれているのだと思います。



私もまた明日からです。
みなさまどうぞよろしくお願い申し上げます。










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今週の佐橋美術店

2025年02月22日 | 福井良之助展
更新が遅くなり失礼いたしました。こういうとき、まず「元気でおります」とお伝えするのが習わし。独り暮らしをしてからすっかり定番のご挨拶となりました。

今週は名古屋も本当にお寒い日々がつづきました。店の小窓からは何ども雪がちらちらと見えました。

こんな寒い時に~と思いながら、こんな寒い時からなのか?今週は初めてご来店くださる皆さまに沢山お会いすることができました。

福井の雪景色に感動していただき「なんて静かであたたかいのかしら」「こんな画家さんがいらしたのですね」というご感想も沢山お聞きすることができました。

私自身もみなさまとお会いしお話をさせていただくうちに「なぜ弥栄さんは雪景色ばかり?」の疑問がさぁ~と消えていく気がいたしました。





店の前をお通りになられてふと店に入って来てくださるのは、今回男性が圧倒的に多いのですが、不思議に思って少しお話させていただくと「冬が好きで」や「生まれたところによく雪が降ったので」というお声もお聞かせいただきました。

当たり前のご意見かとも思いますが、私にとっては意外というかとても勉強になることでした。

「静かで温かい」というみなさまの福井作品への〝感動〟は同じであっても、
その所以は様々なのだという気づきがありました。

それぞれの皆様がお持ちでいらっしゃる雪のイメージ、経験、原風景はまったく別々なものなのですね。

佐橋美術店にお立ち寄りくださり福井良之助の作品を、今、ご覧になられるまでの、みなさまの長い時間、多くの経験、思想、、そういった全てを掬い取り、「静かであたたかい」という万人に通じる〝共感〟を生む作品を描くこと。それが芸術の普遍性なのだと思います。

そして、福井は若い頃より、そうした生死を超えた人間の普遍性を求めて作品を作り続けました。

その作品のとおり、福井展にご来店の方々はゆっくりと増え続けてくださっています。

時々は雪に降られながらの出勤となりますが、最後まで、出来るだけ丁寧にみなさまに福井作品をご紹介したいと思っています。






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余寒お見舞い申し上げます。

2025年02月18日 | 福井良之助展
今日の名古屋は冷たい風が吹き、ときどき雪がちらついています。
季節的には余寒というのでしょうけれど、本当にお寒く、小窓から見える歩道では皆さん厚着をして体を丸めながら歩いていらっしゃいます。

先週末にお雛様を出しました。
そのためでしょうか?



或いはショーウィンドウの張り紙を替えた為でしょうか?土曜日には本当に
お若い方達が何人か福井作品をご覧くださいました。











お帰り掛けに、もう一度店内に戻り何かお探しの様子の女性にお声がけすると
「この作家さんの略歴とかありますか?」と尋ねていただき、「え~と、すぐにプリントアウトできないので壁に貼ってある分でもよろしいですか?」と
略歴の裏のセロテープをはがしながら「この作家さんにご興味をおもちくださった?」とお聞きすると「はい、とっても素敵な作品ばかりで見せてもらってよかったです」とおっしゃっていただきました。













画廊は絵画を売るところではありますが、案外こちら側、つまり売り手がすることはいつも同じ。売れても売れなくても同じ。そう思うのです。

ご覧くださるみなさまの心が動けば、それは良い作品であり、その瞬間の感動や共感に人生の価値を見出し、ご予算を組んでくださるのがコレクターさまです。

作品と出会われ、心を動される、その形に見えないものを金銭を通し現実の世界に形として引き出してくださるのがコレクターさまなのです。

皆様に感謝しながら、今週もできるだけたくさんの方に福井作品をご紹介したいと思っています。

今週はずっとお寒さが厳しいようです。どうぞ、みなさまご自愛くださいませ。







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