つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

小茂田青樹 

2022年06月30日 | 小茂田青樹
今回の展覧会を開かせて頂こうと思った最初のきっかけは、この小茂田青樹の作品との出会いにありました。

夏の展覧会に出品するのでは、季節外れになってしまうなぁ〜11月の無眼界展まで待とうか?と考えていたところに、上村松篁の金魚が入って参りましたので、「この機会に一緒に」と思い切る事が出来ました。

今まで出会った小茂田作品の中で、1番小さなサイズ、しかもとても可愛らしく感じられる作品で、早く皆さまにご覧にいれたいとも思いました。






勿論、可愛らしさだけでなく、小茂田らしいセンス、又描かれた梅の花などには写実的な筆の冴えも感じることができます。






箱書きが古径というのもまた良いですね。




季節外れをカバーできるほど清々しく、関東画壇の「粋」を感じていただけるコーナーになったと思っています。

どうぞ、ごゆっくりご鑑賞ください。


小茂田青樹 絹本 「梅花小禽」 20.1×27.5㎝ 古径箱 東京美術倶楽部鑑定書
110万円


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今日の佐橋美術店

2022年06月29日 | 堂本印象
今週は佐橋の通院もあるので、少し早めに展覧会の準備を始めています。

といっても、色々やらなければならないことがあって、なかなか前に進んでおりませんが(;^_^A

今日はまた一段と暑く、「容赦ない」という感じですね。

季節外れと思っていた印象の雪景色が、大変良い仕事をしてくれて、なんとも涼しげなので、今日はこちらの作品をご紹介しようと思います。








堂本印象の作品を長く見てきたつもりでおりますが、「雪景色」というのを初めて見ました。

私だけでなく、どうやら40年近く画商さんをしている佐橋も、50年近く画商さんをされている先輩も「はじめてみた!」というのですから、かなりの珍しい題材、作品なのだと思います。

枝えだが、少しピンクがかっていますので、早春の風景か?と思いますが、空と水の青が美しく、透明感のある印象らしい作品です。

落款は、印象の最晩年の制作作品の目安となる「ひげ落款」。
私はこの落款にさえ、この画家の円熟味を感じます。



うだるような暑さに「雪景色」
勿論冷房がきいているお部屋にいるからこその鑑賞ですが、なかなか良いものだとおもいます。





堂本印象 紙本・彩色 5号 「晴雪」 共シール  55万円

この作品について、お送り申し上げましたご案内に記載ミスがございました。正しくは上記の通りでございます。訂正し、お詫び申し上げます。


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山口薫

2022年06月25日 | 山口薫
展覧会のご案内をご覧くださったお客様から、温かなメールやお電話を頂戴しております。

「日本画、洋画を問わず、佐橋さんのところの作品は自分の好みにあっていて、好きです」

そうお伝えくださるお客様のお声を何よりも嬉しく感じて居ります。

まことにありがとうございます。

長谷川利行の作品は、皆さまに関心をもっていただけるところ。
そう思いながら掲載をさせていただきましたが、申し訳ございません、まだ価格の設定をさせていただいておりません。

大変申し訳ございませんが、もうしばらくお待ちいただけますようお願い申し上げます。




さて、山口薫と言えば、やはり京都の何必館(かひつかん)さんの事を思い出される方も多くいらっしゃると思います。

今週、私はその何必館さんの図録を見て過ごしました。







「いつも自分の絵の前にあることが一番楽しい。」

「絵を描く技術を身に着けたことは、なんとありがたいことだと思うこともある。」


というのは、薫自身の言葉ですが、

「思うこともある」

ありがたいことだと思うこと、、も 、、

いかにも薫らしいですね。





そしてこの図録の詩文のページに、





「ごくありふれた馬鹿のような顔をして私は街を歩く心たのしいとき」
という文を見つけました。








当店の作品には、「ありふれた」という言葉が見当たらないので
ちがった作品、或いは詩文の中からの抜粋だと思われますが、
このフレーズを薫は気に入って幾つか書いたのかもしれないなと思いました。

いずれにしても、薫の「小さな幸せ」を感じる詩です。




この図録には他にも山口薫の言葉が幾つか載っています。




美は形式ではない。
どこかもっと奥まった所に
それは何だろう
感性なのか



品のある絵を  画格
品のある絵を考えてみたけれども
夢のようでわからなかった




きたないと思うけれど何だかきれいだ
それが美術だ






以前にも書かせて頂きましたが、仕事にはその職種それぞれの「毒」があるように思います。一つの事を極めるという事は、偏るということ。何かを得るということは、何かがするりと落ちて失ってしまうことだとも思うのです。

薫は画家という仕事に救われながら精進し、けれどそれ故に失ってしまうものも十分にわかっていたような気がしています。

迷うということの美しさ。

体裁を整えて言えば、そんなことだろうと思います。


迷える者同士のつながり。
コレクターのみなさまと画商とのご縁も、案外そういったものかもしれず、
それなら尚更、細く長く、そのご縁をいつも心に感じていたいと願います。

今週は更新が余りできませんでしたので、明日にでもまた記事を書かせていただきます。

とてもお暑いので、どうぞ皆さま、ご自愛くださいますように。








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竹内栖鳳 軸

2022年06月23日 | 竹内栖鳳
又新しい栖鳳作品を仕入れさせていただきました。








「皐月雨」

皐月雨は文字通り、5月頃の長雨を指す言葉ですが、これは旧暦によるものですので、実際は梅雨の頃を描いた作品だと思われます。








制作年は、印譜などから大正末から昭和の始めにかけてだと思われます。
栖鳳は絹本の良さを充分感知し、効果的に墨をのせて雨の粒子の大きさや風の向きや強さまで鑑賞者に実感させてしまいます。

その天才的な技術だけでなく、栖鳳の「情緒」を感じることのできる優しい良品であると思っています。


竹内栖鳳 軸 皐月雨  絹・墨 127×41.5㌢ 共箱 
軸全体の長さ 220㌢ ☆





◇   ~30万円
☆  ~50万円
☆彡 ~100万円
◎  ~150万円
◎彡 ~200万円
⨝  ~300万円
⁜   ~500万円
⫸  500万円以上
⏺️ 詳細はお問い合わせください


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今週の佐橋美術店

2022年06月21日 | 鳥海青児
先週末にご来店くださいましたお客様が、ご自宅から鳥海青児の画集をお持ちくださいました。

この画集は残念ながら当店の本棚にはなく、又現在当店の所有している作品の制作年、つまり鳥海青児の若い頃の作品が多く掲載されていることから、「参考に」とお持ちくださったのです。

なるほど、1932年頃には本当に素晴らしい作品が目白押しです。








「買わなくっちゃ」と早速佐橋とこの画集を古本屋さんで探そうと話し合いました。

古い画集はネットで探すのが1番早いのですが、中身、画集の内容が分からないのが難点です。

今までにも、当店の作品が掲載されているか?は分からないけれど、一か八か!で買ってみる。

そうしたことを繰り返してきました。そして、本棚はいつしかいっぱいになっているのですよね。

今回も当店の作品が掲載されている画集ではありませんが、内容がとてもよく、大いに参考になりますので
安心して購入しようと思えました。

重い画集をお運びくださったお客様、大変助かりました。ありがとう存じました。


さて、日曜日に皆様へ展覧会のご案内状を投函させていただきました。

本日?明日?あたりよりお手元にお届けできるのではないかと思います。

以前、当店でお買い物をしてくださったお客様を中心にお送り申し上げておりますが、
ご迷惑をおかけするようでしたら、恐れ入りますが当店にご連絡を賜りますようお願い申し上げます。
次回より発送を控えさせていただきます。


展示予定作品は、佐橋の出張や鑑定などの都合で会期直前までお客様にご覧いただけない場合が
ございますこと、お許しくださいませ。

又、HPの作成ツールの調子が悪く、今回は展覧会作品のHPでの公開を控えさせていただき、
このブログで、来週より新しい作品をご紹介して参ります。

どうぞ、よろしくお願い致します。







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