先日、「お客様」というタイトルで書かせていただいた記事にコメントをいただきました。
「ミスマッチな状況というのは、どこかユーモアを孕んでいて、それだけでクスりと笑えてしまうことがあります。
ギャル×画廊・・・。しかも現代アートとかではなく、日本有数の渋好み画廊ですよ。
この文章を読んでいたら、そのおかしな情景が目に浮かんできたうえ、「ヤバい、ヤバい」と連呼するギャルたちの声が聞こえてきて、腸捻転を起こしそうになりました。(しかし、この言葉、なかなかのパワーワードです)
私も、彼女たちを見習って「ヤバい、ヤバい。えっ、トリ?トリ?」と連呼したいものです。」
ユーモア溢れるコメント、大変嬉しく読ませていただきました。
そして、私はこんなコメントを残させていただきました。
「コメントをありがとうございます。
日本有数の渋好み画廊!!なんて素敵なお褒めの言葉でしょうか😁チョーやばい!嬉しい!
彼女達が発するとても単純な言葉の中にも、若者らしい素直な感動が伝わってきた気がいたしました。
いただいたコメントを後日ご紹介させていただいて、また少し書かせていただこうと思います。」
というわけで、少し書かせていただこうと思います。
画廊を開かせていただいている私たちから致しますと、このお嬢さん達の「やばい!やばい!」のお心は、発せられるお言葉や行動に違いはあれ、当店にお通いくださいます各お客様のお心持ちと近い?或いは同じものではないか?と思っています。
このお嬢さん達に「この絵をご覧になって何がやばいの?」とお聞きしても、きっと「??」というお返事しか返ってこないと思うのですが、
例えば、各お客様が何かとてもお気に召す作品に当店で出逢われた時、その感動から、まず何もお声を出されず、作品に近づいたり、離れたり、怪しい行動??を始められるのはよくあることです。
その後に、「いいねぇ」「佐橋さん、これいいです!」などのお言葉が発せられ、その後更に作品をじっくりご覧になり、俄かにそわそわしはじめられるのが、常道=感動→作品ご購入の正しいコースどりだというわけです。
この「ソワソワ」こそ「やばい、やばい」のお心の表現。
そして、ご予算と作品価格の現実的問題が頭の中をグルグル🌀まわり始め😁
「欲しい!」「でも予算が。。」の葛藤の中で、不意に「よし!これください」というご決断のお言葉が発せられるのです。
私たちには、各お客様の「やばい、やばい」の状況まではよく感じることができるのですが、突然こぼれる「これ欲しいです」の
お言葉には不用意で隙をつかれ。。「えっ??よろしいですか? は、はい、お納めいたします。ありがとうございます。」と驚きながらお応えすることになってしまいます。
まさにご予算の現実的問題を「この作品を側におきたい!」という欲求が超える瞬間。
コップの水が溢れるように、「これください」というお言葉があふれ出るのですね。その瞬間は予測不可能です。
渋好みの画商にも、それなりに苦労がありますが、やはりこの仕事の最大の喜びは各お客様の「佐橋さんの所の作品、やばい」と思って頂ける事だと思います。コロナ問題で停滞が生まれ、当店の数々の作品達の「渋み」に更なる磨きがかかっておりますが、どうぞ、もうしばらく、「見飽きた」などとおっしゃらず、当店の作品達をお見守りくださいませ。
見れば見るほど、渋柿がふくよかな甘みを孕んで参ります❣️
※入江波光 軸 かにときす 共箱