つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

紅葉

2019年11月28日 | 日記・エッセイ・コラム
京都に赴任中の弟が南禅寺〜永観堂の紅葉の様子を伝えてくれました。

(相模原の妹のことはよくこちらでもご紹介いたしますが、私には弟もおります。











今年は夏から一挙に冬へと季節が移り、気温差が激しかったので、思いがけず美しい紅葉を楽しむ事が出来ました。

秋らしい日々がなかったのに、紅葉が楽しめるというのも皮肉なものですが、
そして樹木にとって果たしてそれが負担ではなかったのか?よくわかりませんが、

紅葉の見納め。

いよいよ今年も残り1カ月となりました。

この一年に、佐橋と私は随分と美術品を見る眼を変化させてきたと思えます。
そして、益々自分たちの所有する作品を愛おしく思えるようになったと思えます。





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永青文庫

2019年11月27日 | おススメの展覧会、美術館訪問

東京に歌舞伎を見に行って参りました。

5月に文楽で見た景清のお話を今回は吉右衛門の演じる歌舞伎で楽しみました。

国立劇場1列目、花道横のお席で役者さんを真近に見られ、興奮しましたし
流石の佐橋も居眠りも控えめで助かりましたが、少々首が疲れました😓

美術館は、目白の永青文庫さん、竹橋の国立近代美術館さん、そして
森美術館さんにも寄らせていただきました。

永青文庫さんに伺うのは初めてです。ずっと伺ってみたかった美術館さんです。

椿山荘さんがすぐお隣。












永青文庫さんは熊本県細川家に伝わる美術品を管理されている美術館さん。
美術館そのものは、昔の洋館を利用し、規模も小さめですが
そのご所蔵品は質、量ともに非常に高いレベルにあり、
回遊式庭園を含め、立地の環境も都会とは思えない趣を放ちます。





今回は永青文庫さんに伺うのを目的としましたので
お目当ての展示があったわけではありませんが、
前期には中国宋時代の詩人で、当時の三大書家の1人、
黄庭堅(こうていけん)の書が展示されていたようで、
それを拝見できなかった事が悔やまれました。







この伸びやかな、特に横角の線が特徴です。





が、現在の護熙さんを含め、代々の細川家の方たちがいかによくお勉強をされてきたか、
またどんなに深く、広く芸術に接してこられたが想像され、有意義な時間を持つ事が出来ました。

私の好きな堆朱作品1つをとってもそのレベルの高さに溜息が出てしまったほどです。





この次は古径や安井曾太郎作品もこちらで拝見したいと思います。


























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佐竹本三十六歌仙絵

2019年11月21日 | おススメの展覧会、美術館訪問
月曜日には京都に伺いました。

他の美術館さんはお休みですので、欲張る事なく、ひたすら国立博物館さんをゆっくり見学させていただきました。

人間ドッグを受けるように、美術品を鑑賞する力がどれほど養われたかを確認するには
いつも見ている時代、ジャンルを離れ、その美しさも意味もわからない美術品に出会いに行くのも大切なように思います。

私達のように、展覧会を見ながら、「この作品を持ち込まれたら、本物かどうかわかる?」とか
「いくらで買わせていただく?」とか、そんな会話は全く必要ありませんが、









鎌倉時代に描かれた絵や文字が、どうして今ここにあるのか?と問うてみるだけでも、鑑賞の価値が
あるように感じるのです。

歌人藤原公任(きんとう)の「三十六人撰」に選ばれた飛鳥、平安時代の三十六人の優れた歌詠み人を、
鎌倉時代以降、多くの画家が描き続けました。

その中でも、旧秋田藩主 佐竹侯爵家に伝わった「佐竹本」はその美しさが最も優れているといわれます。

そして、この佐竹本はその美しさ故に、美術品としての価値を問われる問題に多く直面していきます。



大正時代、この佐竹本、絵巻全二巻は、売りに出されることになりました。

が、その価値が計り知れず、あまりに高価なため、国内では買い手がつかず、海外への流出が危ぶまれたのです。


それを憂いた当時のコレクターや茶人らは、益田鈍翁の呼びかけで、絵巻物の切断を協議、
37枚に切断された歌仙絵をそれぞれが購入することとしました。

バラバラになった歌仙絵は、100年の時を経て、今回京都に集結。

断簡37件のうち、今回31件が鑑賞出来る展覧会となりました。

美術品ならではのストーリーを背負っての展覧会には、多くの方々がお出かけになられたようですが、
私達は運良く、特別に開館をした日に伺ったので、混雑に出会う事がありませんでした。




筆者については諸説あるようですが、
藤原信実の描く線の凛々しさと豊かさが歌人一人一人に趣きある表情を持たせ、
その清々しさと
後京極良経の少し粘性のある美しい文字との絶妙なバランスがこの作品に命を与えたように思えました。


ご紹介が遅れ、この展覧会は今週いっぱいになってしまいました。
よろしければ是非お出かけくださいませ。













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鏑木清方展 名都美術館

2019年11月19日 | おススメの展覧会、美術館訪問
当店にとうとう今日は鈴懸の葉が1枚舞い込んで来ました。

あっという間に、木枯らしの季節がやってきたのですね。









日曜日には愛知県内の名都美術館さんへ伺い、鏑木清方展を拝見しました。(画像は名都美術館さんのお庭です)

松園、深水の美人画よりも、清方の美人画が好きなのは、清方自身が自分の画家としての役割をよく自覚していたから、
また清方が、女性の暮らしぶりをよく観察していたからだと思います。

長い一生を、女性は「暮らし」の中で生きるように感じています。

清方が好きだった物語に描かれる女性も、みな家族や生活を背負って人生を生きる女性ばかりだろうと思います。

1940年、昭和15年前後からは
「命のない美人画は価値のないもの」と言い切る清方が60代を迎え、戦力昂揚の世情に反発し、
いよいよ「美人画」に画家としての覚悟を決め、女性をより生き生きと華やかに描くようになりました。


私が今回一番良いと思った作品は「高尾さんけ」(すみません画像がありません)
佐橋は今更?と思いましたが、やはり





「たけくらべの美登利 」 1940年昭和15年 京都国立近代美術館  でした。





三年後の清方没後50年には、大々的な清方展が催されるようですので、それまでしばらくは
清方の作品を目にする機会が増えるかもしれません。

来週はいよいよ築地明石町を拝見に伺います。




名都美術館さんのすぐ裏にある杁ケ池(いりがいけ)を少し散歩しました。







紅葉がとても綺麗でした。
鴨ももう、到着しているのですね。
命はためらう事なく、前へ前へと進みます。






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立冬を過ぎて

2019年11月13日 | おススメの展覧会、美術館訪問

先週初めに、ニューヨークにお出かけになられたお客様に紅葉の様子をお知らせいただきました。

心のどこかで「紅葉は日本だけのお楽しみ!」と思ってしまっていた私はビックリ(*_*)

日本より、かなり早く見ごろを迎えるのねぇ~と思っていましたところ

今週は本当に急に、名古屋の街でも紅葉が見られるようになりました。

しかもお寒いのですねぇ。

 

秋を楽しむ間もなく、冬がきて、おまけに年末まで近づいてきてしまいました。

伺いたい展覧会が一杯なのに、どうしましょう?という感じです。

 

京都では

 

京都国立博物館さん

 

京都近代美術館さん

 

 泉屋博古館さん

 

 

  堂本印象記念美術館さん

 

名古屋では、東京で見ることのできなかったカラヴァッジョ展や清方展。

(劉生展は東京で拝見しました)

 

 

 東京では

清方の特別展では築地明石町が公開されていますね。

 

さて、この二週間ほどでどちらに伺うことができますでしょうか?

紅葉の見ごろと重なって、どちらも混雑しそうですが、

そして「すみません、私達は紅葉でなく、展覧会に伺ったのでその道をお通しくださいますか?」とも

お願いできないので、混雑にいらいらしたり、予定に無理のない程度に出かけてみようと思っています。

 

 

 

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